小学校スクールカウンセリング入門 の感想

　スクールカウンセリングとは、相談室の中で面接をしているだけではなく学校生活のあらゆる場面で行われ、そのスキルが必要だといわれてきた。しかし、これまでのスクールカウンセリングの本は、原則だけを挙げた教科書的なものか、面接室内で完結する事例を集めたもののどちらかに偏っているのが多い。
　この本は、前半をマネージメント編として、引継ぎから連携や研修など、学校での立ち振る舞い方についてよくまとめられている。後半のケーススタディも学級崩壊や発達障害など小学校を取り巻く問題をわかりやすく取り上げている。
一部、教科書的な硬い部分もあるが基本的には平易で面白くまとめてある。近年注目を浴びているスクールソーシャルワーク活動としても読むことが出来る。その意味でも、スクールカウンセラーはもちろんのこと、教職員やスクールソーシャルワーカーなど学校関係者が読んでも役立つ一冊である。