図説 尻叩きの文化史 の感想

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タイトル図説 尻叩きの文化史
発売日販売日未定
製作者ジャン・フェクサス
販売元原書房
JANコード9784562047680
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 文化人類学・民俗学 » 文化人類学一般

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鞭打ちが修道院に初めて導入されたのは508年にアルルの聖セゼールが定めてからだという。その後、何世紀もかけて宗教上の過ちのリストは拡大し、懲罰としての重みは増して制度化され、他の改悛と同列のものとなってゆく。やがて、難行苦行を味わう手段にもなる。そんな深遠な尻叩きの歴史について解説した本。「図説」というのもポイントで、全編白黒なのが残念であるものの、様々な尻叩きの絵がたくさん掲載されている。著者はフランスの弁護士。

修道院だけでなく、修道士が管理する学校においても、お仕置きとして尻叩きが行われるようになる。貴族であっても王子であっても、この規則からは逃れられない。15世紀から18世紀に渡って修道士が管理する寄宿学校ではおおいにさかんになった。親たちもしつけのために鞭をふるう。1960年代にはいってもマルティネと呼ばれる鞭は百貨店で普通に販売されていて、フランスでは20万家庭がこれを有していた。自動尻叩き機まであった(図入り)。スウェーデンでは1977年に「尻叩き禁止法」が成立したが、鞭打ちが根付くイギリスでは国を挙げた論争になり裁判までおきた。反対派は尻叩きを受けて育った子供は暴力的になると主張している。

尻叩きは、性的な行為や商売とも結びつく。修道院では、尻叩きは元々聖人の特権だったが、罪ある男女が多くなり過ぎたため、多くの人がこの仕事を担うことになる。中には、鞭打ちによって自分の動物的な部分を目覚めさせてしまう神父も出てくる。11世紀以降は修練の手段としても利用される。18世紀には痙攣派という、尻叩きのように互いに痛めつけあって救済を得ようとする一派が登場したりもする。書き残された当時の貴重な証言も紹介されている。

尻叩きは医療でも活躍する。古代ギリシャの哲学者セネカは、鞭打ちはマラリアや四肢の麻痺を治すと主張。中世ヨーロッパでは、便秘の治療、おねしょを治す、でん部の発達を促す、といった効能がうたわれた。19世紀になっても、血圧低下、不感症、インXテンツなどの治療に効果があるという医師達がいた。

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