気になる『けいれん』を治す本―専門医がやさしく答える の感想

両眼のまわりや顔の片側の筋肉がピクピクする症状。眼科へ行ってもきちんと診察してもらえないこともあります。これらは「疲れ目」や「顔面神経痛」ではなく、「眼瞼けいれん」、「片側顔面けいれん」という病気の可能性があることをこの本は説明しています。死ぬほどの病気ではないですが、病気が進むと、日常生活に大きな支障をきたします。
また、ある日突然、首が勝手に回ってしまったり、肩がつりあがったりして、そのまま戻らなくなったりといった症状を抱え、いろいろな病院で治療を受けているのに、あまり症状が良くならない方は、周囲にいませんか？ これは、「痙性斜頸」という病気です。いずれも、自分の意思とは関係なくいつでもどこでも発作が起こり、自分ではコントロールできない点が、つらいところです。
「眼瞼けいれん」「片側顔面けいれん」「痙性斜頸」の患者さんは全国で数万人といわれます。しかし、実際にはもっと多いのではないかと推測されます。また、これらの病気は、生活や仕事と密着に関連している現代病的な側面を持っているので、今後、患者さんが増えることはほぼ間違いのないところといいます。
この本は、これらの気になる病気の原因と最新の治療法を、できるだけわかりやすく解説することをめざした、初めての家庭用実用書です。巻末には電話相談窓口についての情報もありますので、利用価値は高いです。