素数の音楽 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル素数の音楽 (新潮文庫)
発売日2013-09-28
製作者マーカス デュ・ソートイ
販売元新潮社
JANコード9784102184219
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » 音楽理論・音楽論 » 音楽学・音楽教育学

購入者の感想

 リーマン予想という数学史上でもトップクラスにある、有名な未解決問題がある。

数学的にも非常に重要な問題らしいのだが、困ったことに一般向けの解説本があっても、とにかく難しくなりがちなのである。私のような素人が興味を持ったところで、何が難しくて何が重用なのか想像すらできない。何しろ証明がどうだこうだの前に、肝心の「命題の意味」からして理解が困難。要するに、リーマン予想とやらの深遠を味わうためのスタート地点に立つことすらできない。

リーマン予想とやらは「ζ(ゼータ)関数の自明でない零点は、全て実部が1/2の直線上に存在すると思う」ということらしい…?

こりゃ命題そのものはもちろん、使われている単語の意味を理解する…どころか漠然とイメージすることすら困難。ましてや、これがどうして素数定理よりも精度が高い素数密度を出せるのか、という話にいたっては、ちんぷんかんぷん。正直に言って「素数定理」からして私のような素人には難しい。

でも…この「リーマン予想」は何やら凄いらしい。

証明には100万ドルの賞金がついているだの、映画になるだの、全く無関係なはずの量子力学のランダムエルミート行列とやらと繋がっているらしいだの、素数の秘密が解明できるだの、もう凄い凄い大変でエレガントで神秘的で萌え萌えでキュンとするとか!それほどイカスならば、否、それほどナウいトレンドだというならば、ぜひとも理解したいではないか!しかし、数学は知らない、数学を勉強するガッツもない、だけど、せめてリーマン予想の概観でもいい、エッセンスくらいは感じたいんです、どうになりませんか!

 OK任せろ

というのが本書である。

そうなのだ。確かに数式の仕様を極力まで避けており、イメージを主とした解説になっていることから、全体的にとても判り易い。そして読み物としても面白く仕上がっている。ただし、ちょっと気になる点は、平易であることを狙いすぎたためか、無限の濃度の話をしているのに、対角線論法はおろかカントールの名前すら出てこないなど、かえって理解しにくい箇所もちらほらあるように感じた。それがネックといえばネック。

 この本はリーマン予想という素数の非常に深い性質を表す、数学の未解決問題を主題として、それに関係する研究を行なった主要な数学者達の生身の姿を描写した興味深い科学啓蒙書です。著者はオックスフォード大学の現役の数論研究者ですので、この種の啓蒙書にあり勝ちな数学上の間違いもないようです。一般の読者を対象にしていますが、一部は大学学部程度の数学の素養がないと意味のわからない箇所もあります。しかし、それらを気にせずに読めば、偉大な数学者達の研究に臨む真剣な姿勢を窺い知ることができます。この本を読めば、広く一般に誤解されているような「数学とは単なる計算問題を解くこと」ではないことがわかるでしょう。特に数学に関心のある高校生や大学生にはうってつけの読み物と思います。20世紀の数学史を知りたい方にもお勧めです。

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