エニアグラム―あなたを知る9つのタイプ 基礎編 (海外シリーズ) の感想

追記： 内容はほとんど同じですが、新しい翻訳版が出ています。紙が厚く文字がはっきりよみやすいため、新版をおすすめします。 https://amzn.to/2XjVazF

残念なことに、日本語訳書と原書のレビューが混じっています。訳書は複数に分冊して発行する予定だったらしいですが、基礎編が出版されただけで、続きは出版されませんでした。

原書は翻訳されている「基礎編」の２倍の内容です。残念なことに、基礎編に含まれている内容は、それ以前に翻訳されて出版されたリソ＆ハドソンの書籍と内容が重複する部分が多く、両著者のファンの方には目新しい内容が少ないかと思います。

基礎編で訳出されていない部分こそ、原書の真髄です。９つのタイプごとに「心理的、精神的な成長」を促す方法について触れられています。翻訳でも一部は訳されていたと思いますが、気づきを促す短い実践がいくつも紹介されています。

英語が読める方であれば、原書のThe wisdom of the Enneagram: The complete guide to psychological and spiritual growth for the nine personal types(https://amzn.to/2rlYJrj)をお読みになることを勧めます。日本のアマゾンからも、「ペーパーバック」を選べば、購入できるようです。心理学というより、精神的分野の言葉遣いが多少含まれています。それを除けば、辞書を引きながらでも理解できる英語です。（ただし、精神的分野の様々な概念を軽くでも理解していないと、読み取るのが難しい部分も含まれています。）

エニアグラムは他のどの心理学ツールよりも、深層心理から行動表出のプロセスを実に正確かつシンプルに表現しています。
また、臨床心理系の本とも併用できるツールです。

エニアグラム関係の本は多数出版されていますが、特にリソ･ハドソンの研究は描写の正確さで他の群を抜いていると思います。
実際に読んでみれば、よくある占いやセルフヘルプ系の本とは明らかに違うことに気づくはずです。
カウンセラーや人事関係の仕事をしている人だけではなく、他者と接する人（そうじゃない人などいないが･･）はぜひ熟読を薦めます。

近年、コミュニケーションのロジカル面が重要視されてますが、心理面もそれ以上に重要だと思います。
自分や他者に対しての洞察が深まり、コミュニケーション力が磨かれること間違いないです。

応用編の出版は未定だそうです。