アンロックド の感想

移籍後初のアルバムということで、前作までの音楽性と
一線を画したい（というか、MAANのふたりの影響を
払拭したい）意欲が表れているため、従来の彼女の
キャッチコピー『小悪魔ビートプリンセス』を期待して
聞くとたぶん肩透かしを食らうと思います。

EDMといえばEDMではあるんですが、いわゆる4つ打ちの
リズムより、ミドルやスローテンポのメロディアスな曲調で、
アレクサンドラの歌声の魅力を前面に出した楽曲が目立ちます。
ですので、前作以前の『ノリノリユーロビート』という部分に
魅力を感じていた人は物足りなさを感じそうです。

その代わり、歌声が前に出る分、、アレクサンドラが
頑張ってしっかり歌い込んでいるのが良く分かります。
特に『BACK TO LIGHT』『GIVE ME YOUR EVERYTHING』は
ライブで生歌を聞いたときは鳥肌が立ちました。

蛇足ですが『アーティストは見た目も含めて商品である』
という自覚がアレクサンドラには存分にあるので、身体も
かなり鍛え込んで絞っていて、歌声や話し方だけでなく
ショーとして魅せるダンスも格段にレベルアップしています。
歌やダンスに対して真摯な努力をしているところが
彼女の魅力のひとつだと思います。

一方で、彼女の努力に反して、もうちょっとより良く出来た
はずだろうという楽曲もチラホラあり、プロデューサーの
力不足を感じます。何というか、木を見て森を見ない的な。
フレーズや小節間の細かい装飾は良いんだけれども、
楽曲全体で見ると、あるいは、アルバム全体で見ると
楽曲同士が似た印象を与えてしまうような。

そういうと『SAXOBEAT』も似たような４つ打ちばかりと
言えなくはないのですが、それに比べて今回は小さく
まとまった感が強いです。

『SAXOBEAT』『CLICHE』に比べると、色んなプロデューサーが