今こそ日本人の出番だ 逆境の時こそ「やる気遺伝子」はオンになる! (講談社プラスアルファ新書) の感想

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タイトルも、「遺伝子オンで世界を救うのは日本人だ！」という帯のコピーも
なんだか大げさすぎるなぁ……と思いながら、読み始めた。

東日本大震災以来、「利他」という言葉をよく耳にするが、
なんと遺伝子の世界でも「利他的遺伝子」というものの研究が進められているとは！
そこからあとは、「村上ワールド」にぐいぐい引き込まれた。
明治２３年に和歌山県大島村でトルコの軍艦が座礁･沈没したときに
海に潜る、人肌で温めるなどして、多くのトルコの船員を救った話、
（そしてそのあとになんとも感動的な場面が！　ネタバレになるので、ここでは省略）。
“大東亜戦争”後、捕虜になった日本人がウズベキスタンで劇場を作り、
その手抜きのない仕事ぶりを見た多くのウズベク人の母親が、
「日本人のように勤勉でよく働く人間になりなさい」と子供たちに言い伝えているという話。
――昔の日本人はえらかったんだなぁ。なんか、かっこいいよなぁ。
こんな話、小さいときに教科書で読みたかった！

読後は心あたたまり、日本人はすごい！　と元気も出る。
けれど、今の日本の置かれた状況を振り返ると、少し消沈。
そのすばらしさを、今もこれからも発揮して生きていかないといけないんだね。