窓から逃げた100歳老人 の感想

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参照データ

タイトル窓から逃げた100歳老人
発売日販売日未定
販売元西村書店
JANコード9784890137060
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 外国文学・著者別 » ヤ・ラ・ワ行の著者

購入者の感想

100歳を迎える老人が自分のバースディ・パーティの式典をパスして老人ホームから逃げ出した!ひょんなことからギャングの大金を横取りしてしまい、ギャングと警察の両方から逃げまわるハメになる。その珍道中と、彼が老人ホームに来るまでの奇想天外な過去の物語が交互に語られ、ラストで合体。

ハチャメチャな話なのだが、一貫して流れているのは主人公の老人アランの、無欲で賢く、しかも人懐こい人間的魅力だ。大金を持ったまま、初対面の相手に隠し事をせずすべての事情を打ち明けてしまう。大丈夫かなと不安になるが、それで相手はみんな彼の仲間になってしまうのだ。チーム・アランはどんどん増え、ついに人間だけではなく象までが(とても人間的な象だ)仲間入りする。象を連れて逃亡する物語が、一体今までにあっただろうか?

一方で、そうした彼の過去の話はさらにスケールが大きい。まったく無欲に、偶然に(!)各国の指導者たちとコネクションを持ち、ときには重用され、ときには囚われ、ときにはスパイとなって世界史を裏側から動かしていく。現代史の教科書でしか見たことのない名前がずらずらと登場するさまは壮観で、文句なしに楽しい。

しかし、その彼の最大の武器というのが(人間的魅力を除けば)「原爆」というのはどうなんだろう?この点でひっかかる人もいるかもしれない。僕は、ちょっとひいた。アハハと笑ってすませられるかどうか、人によるんじゃないだろうか。
それと、彼によってあっけなく殺されちゃった雑魚のギャングたちにも同情してしまった。確かに雑魚だけど、だからって殺され方まで笑いのネタにされるのは、なんだかな。(←主役より確実に雑魚に近いやつ)

それで、勝手にこんなラスト・シーンを考えてみた。

飼い猫の仇をとるべく爆薬をしかけたアランは、最後の仕上げのときに、ふと傍らを通った飼い猫そっくりの子猫(たぶん子供)に気をとられて操作を間違い、あっけなく爆死。
彼の墓の前で未亡人が「もう本当にドジなんだからあのバカ」と悪態をついて去る。
墓に供えられたウオツカが、いつのまにか呑み干されている。
ウインクをするアランの幽霊……THE END

ベタですみません(汗)

ウオツカ飲みたさで誕生日当日に老人ホームからこっそり逃げ出した主人公が、当てもなく彷徨ううちに偶然ギャング団の大金を横取りすることになり、それを取り返そうとしたギャング団に追いかけまわされる、というのが現在(100歳)の話。それと交互にさしはさまれるのは、この100歳老人がどんな過去を送ってきたのかというストーリーで、これがひと言で言えば無茶苦茶すぎる!
爆弾作りのエキスパートだった主人公は、20世紀のいくつかの歴史の転換点に関係していた、というのだ。トルーマンやら宋美齢やら、出るわ出るわ…。辻褄を合わせたうえで、よくここまで笑える話を書けたものだと感心した。一筋縄ではいかぬ、とぼけた老人の大胆すぎる冒険譚で笑ったら、小さな心配事で悩んでいる自分が馬鹿馬鹿しくなった。
柳瀬節と呼びたくなるような絶妙な言い回しが随所に光っていて、話とは無関係に何度もニヤッとさせられた。

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