利己的な遺伝子 <増補新装版> の感想

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参照データ

タイトル利己的な遺伝子 <増補新装版>
発売日販売日未定
製作者リチャード・ドーキンス
販売元紀伊國屋書店
JANコード9784314010030
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 遺伝子・分子生物学

購入者の感想

30年経っても色あせない科学書は大変珍しい。本書の出版と同時に「科学者はどのようにして私たちの考え方を変えたか?」というドーキンスをテーマにした26人の科学者によるエッセイ集が出版されたが、そのことからも本書の影響力の大きさが伺える。

本書はしばしば時代遅れだ、古すぎるなどと批判される。確かに本書を読んだだけで進化生物学を理解したと考えるのは間違っているが、本書が時代遅れだという批判も同じくらい間違っている。というのも、本書が紹介している自然選択のメカニズム、種の保存論の誤り、血縁選択、互恵的利他主義、ESSと言った概念は現代的な進化生物学の中核をなしているためだ。現代的な理論物理学を学ぶにはニュートン力学の理解を避けて通れない。ニュートン力学が時代遅れだ(から学ぶ必要はない)などという批判が馬鹿げているのと同じように、進化生物学でそれらの概念が生き続けている限り、本書も素晴らしい入門書、概説書として生き続けるはずだ。

また本書は科学書であるだけでない。著者にはそのつもりはないかも知れないが、結果として哲学的な問いかけも行っている。生物の存在や進化に究極的な意図や目的はないこと、種の保存のためという論理はかなり大きく誤っていること、家族をいとおしいと思ったり手助けをしたくなる感情は当たり前なことではなくて、説明が必要な(そして説明されている)自然現象だと言うことなどだ。非生物学者の読者にとっても、決して答えが見つからないだろうと思われがちな深遠な疑問や、疑問にすら感じないような当たり前のことを、論理的に深く考えるきっかけを与えてくれるだろう。

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紀伊國屋書店から発売されたリチャード・ドーキンスの利己的な遺伝子 &lt;増補新装版&gt;(JAN:9784314010030)の感想と評価
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