歴史を変えた火山噴火―自然災害の環境史 (世界史の鏡 環境) の感想

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タイトル歴史を変えた火山噴火―自然災害の環境史 (世界史の鏡 環境)
発売日販売日未定
製作者石 弘之
販売元刀水書房
JANコード9784887085114
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 地球科学

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紀元前から現在までの火山噴火。そしてこれからまた起こりうる噴火について書かれているこの本。ただ、火山噴火の説明のみの内容ではなく、それによって、古代からの歴史にどういった大きな変動が起きたか、という面にも重点が置かれている。

たとえば、古代中国「夏王朝」が滅びたのは紀元前1600年代に起きたサントリーニ火山の大噴火が引き起こした「火山の冬」によるものであること。7万3000年(+-4000年)に起きたトバ火山の超巨大噴火による、人類がほぼ全滅に近い状態になったボトルネック。7300年前の鬼界カルデラの大噴火によって南九州の縄文文化が壊滅状態になったこと。ヴェスヴィオ火山が引き起こした悲劇。西暦535年のクラカタウ火山の大噴火がもたらした世界的な火山の冬。日本でも自然災害と疫病流行が始まり、大きな文化的・政治的変動の元となっていると言う。1783年のアイスランドのラーキ火山と日本の浅間山の噴火。それからも火山噴火は続き、長い間、「夏が来なかった年」になったそうで、飢饉や疫病などにより政治的な変動が世界中で起きたそうだ。また、現代に入ってからのインドネシアやフィリピンでの大噴火が、かなりな気候変動をもたらしたことは記憶に新しい。

さて。ヴェスヴィオ火山はまた噴火の危機を迎えているようだ。今後100年間に大噴火を起こす確率は27%だと言う。大きい確率だ。日本では、富士山の動向が不気味だし、桜島も今年は特に活発な噴火を繰り返している。イエローストーンの噴火周期は約60万年と言われ、その時期がそろそろ到来している。

1990年代あたりから、巨大地震、火山噴火はあきらかに頻度が増して規模も大きくなっている。これは地球の活動としては特別なことではないのだろう。ただ、そのどれもが生き物にとっては致命的だ。ホモ・サピエンスは、たまたま、比較的活動が平穏な時期に繁栄し、そして今また、危機の時期を迎えているのかもしれない。

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