粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白 の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白
発売日販売日未定
製作者佐藤 真言
販売元毎日新聞社
JANコード9784620321905
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

特捜部のメンツのためとしか思えない事情で、本来は起訴するに値しない微罪の経営コンサルタントが、重大犯罪に関わったかのようにされ、二審まで有罪という災難を味わった経験談である。本書の著者、佐藤真言氏の事件については、石塚建司著『四OO万企業が哭いている−ドキュメント 検察が会社を踏み潰した日』(講談社)で既に知られてはいるが、本書は事件の当事者が語ったということに意義がある。

本事件は、佐藤氏が、資金繰りに苦しむ中小企業の経営コンサルタントとして、経営改革を行った上で、銀行から融資を受けて企業を継続させるためにやむを得ず黒字を装った粉飾決算を行い、銀行からの融資を引き出したことが詐欺に当たるとして起訴され、一審、二審で有罪判決を受けたものである。

近年、金融庁が銀行の検査を強化したため、赤字企業には一律に融資できないという事態になってしまった。佐藤氏は、一時的に赤字になっても、やり方次第では十分復活できるという経験と信念があるという。この考え方は十分納得できるし、そうでなければ日本の中小企業の大部分も資金繰りが出来なくなって倒産してしまうし、銀行も融資先がなくなっておかしなことになる。このような事案は、銀行のリスク判断に委ねるべきであり、検察が立ち入る問題ではない。

微罪でしかない佐藤氏の事案がなぜ事件化されたのか。本書によれば、どうやら特捜部の組織存続のためのスケープゴートにされたらしい。佐藤氏を犯罪者に仕立て上げるために、特捜部は事件周辺の人物と取引を行い、佐藤氏を陥れるための「証言」をでっち上げたとのことだ。実に汚い、またこれまでと変わらない、特捜部の手口である。

私自身も企業の再建に関わることがあり、興味深く読みました。
直截にいえば、危機に陥った企業に「再建のお手伝いをします」と近寄ってくる
無資格の自称コンサルタント(大半は銀行か証券会社のOBで、早めに退職している)は、
胡散臭いという印象がありました。

本書を読んで認識が変わるかと思いましたが、残念ながら同じ印象でした。
あまたある「検察・裁判所の世間知らず批判」には共感できるものも多いのですが、
本件は検察・裁判所に正義があるように思いました。

粉飾決算に加担したことは認めるが、
1粉飾した決算書を提出することは詐欺にはならない、
2詐欺になるとしても、粉飾は日常茶飯事であり実刑判決は不当である
というのが著者の主張のようです。

1は法的には失当というほかないと思います。
返済する意思があったとしても、返済能力を偽って資金を引き出した時点で既遂ですし、
「返すつもりだった」の一言で故意を否定できるなら、この世から詐欺罪はなくなるでしょう。

2は、現実としてはよく理解できます。
粉飾を見破るのは案外簡単なのに、少し前まで銀行は簡単に無担保で融資をしてきました。
不勉強なのか、薄々勘付きながら成績を上げるために融資しているのか。
いずれにせよ焦げ付く頃には融資を決定した担当者は異動していますから、無責任なものでした。
融資をする側の落ち度の大きさは、一般の方が詐欺に遭う場合の比ではないと思います。

ただ、粉飾は必要悪だと強弁しながら量刑不当を言うのはいかがなものか。
同じ罪を繰り返すことを公言しているような被告人に、執行猶予は付けられないでしょう。
駐禁を切られて、みんな停めてるじゃないか、駐車場がないのが悪い、と言っているのと同じ次元です。
気持ちは解りますが、法廷でそれを言うのが得策だとは到底思えません。

また、「自分は粉飾の報酬はもらっていない」と述べていますが、

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白

アマゾンで購入する
毎日新聞社から発売された佐藤 真言の粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白(JAN:9784620321905)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.