休み時間の免疫学 第2版 (休み時間シリーズ) の感想
参照データ
タイトル | 休み時間の免疫学 第2版 (休み時間シリーズ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 齋藤 紀先 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784061557147 |
カテゴリ | ジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 基礎医学 » 免疫学・血清学 |
購入者の感想
2004年に刊行された第1版と内容を比較してみました。第2版で新たに索引に登場した用語は約83個,これは索引の全用語358個のうちの25%に相当します。ただし,新用語の60%が細胞内シグナルに関わる用語でした。旧版索引から削除された用語はたった4個でした。かなり刷新されていることが分かります。書き換えられた領域は下記です。
(1)外敵をおおまかに判別する受容体の重要性
皮下組織の監視員としてマクロファージ,マスト細胞,樹状細胞がもつ感知器がTLR (Toll-like receptor)です。おおまかな分子を識別する受容体をパターン認識受容体と呼びます。
(2)炎症を引き起こす物質
マクロファージやマスト細胞が外敵侵入に応じて作る代表的な炎症物質が,1炎症性サイトカイン(TNF-αやインターロイキン-1など),2ケモカイン(インターロイキン-8など),3脂質メディエーター(プロスタグランディンなど)の三種です。旧版ではアレルギー反応の項目だけで記述され,ケミカルメディエーターという用語だった脂質メディエーターが,第2版では外敵侵入の際に普遍的に働く物質として記述されています。この段階(1)(2)までは自然免疫でも起こる現象です。
(3)ナイーブT細胞の分化
T細胞は分化段階によって名称が変わります。まだ一度も抗原提示を受けていない細胞はナイーブT細胞(旧版の名称はナイーブTh細胞)と呼ばれます。このナイーブT細胞がエフェクターT細胞に分化・増殖する際には,抗原提示細胞(樹状細胞)から抗原提示を受けたり,サイトカイン(種類がたくさんある)をかけられたりします。さらに,抗原提示細胞とT細胞における情報伝達には,相互の補助刺激分子の結合が必須です。CD4陽性ナイーブ細胞はヘルパーT細胞(Th1,Th2,Th17)か,または制御性T細胞(Treg。レギュラトリーT細胞とかサプレッサーT細胞と呼ばれたことがある)に分化します。また,CD8陽性ナイーブT細胞はすべて細胞障害性T細胞(Tc細胞。いわゆるキラーT細胞)というエフェクター細胞に分化します。分化の方向はどんなサイトカインの状況下にあるかによって決まります。
(4)体液性免疫か細胞性免疫かのちがい
(1)外敵をおおまかに判別する受容体の重要性
皮下組織の監視員としてマクロファージ,マスト細胞,樹状細胞がもつ感知器がTLR (Toll-like receptor)です。おおまかな分子を識別する受容体をパターン認識受容体と呼びます。
(2)炎症を引き起こす物質
マクロファージやマスト細胞が外敵侵入に応じて作る代表的な炎症物質が,1炎症性サイトカイン(TNF-αやインターロイキン-1など),2ケモカイン(インターロイキン-8など),3脂質メディエーター(プロスタグランディンなど)の三種です。旧版ではアレルギー反応の項目だけで記述され,ケミカルメディエーターという用語だった脂質メディエーターが,第2版では外敵侵入の際に普遍的に働く物質として記述されています。この段階(1)(2)までは自然免疫でも起こる現象です。
(3)ナイーブT細胞の分化
T細胞は分化段階によって名称が変わります。まだ一度も抗原提示を受けていない細胞はナイーブT細胞(旧版の名称はナイーブTh細胞)と呼ばれます。このナイーブT細胞がエフェクターT細胞に分化・増殖する際には,抗原提示細胞(樹状細胞)から抗原提示を受けたり,サイトカイン(種類がたくさんある)をかけられたりします。さらに,抗原提示細胞とT細胞における情報伝達には,相互の補助刺激分子の結合が必須です。CD4陽性ナイーブ細胞はヘルパーT細胞(Th1,Th2,Th17)か,または制御性T細胞(Treg。レギュラトリーT細胞とかサプレッサーT細胞と呼ばれたことがある)に分化します。また,CD8陽性ナイーブT細胞はすべて細胞障害性T細胞(Tc細胞。いわゆるキラーT細胞)というエフェクター細胞に分化します。分化の方向はどんなサイトカインの状況下にあるかによって決まります。
(4)体液性免疫か細胞性免疫かのちがい