演技と演出 (講談社現代新書) の感想
参照データ
タイトル | 演技と演出 (講談社現代新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 平田 オリザ |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784061497238 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » アート・建築・デザイン |
購入者の感想
青学や阪大で行われているワークショップデザイナー育成プログラムで講師であった平田オリザさんにはじめて出会った。そこで演劇ワークショップに出会い興味を持ち、彼の主催する青年団の演劇入門という半年間の講座に参加している。その講座の課題図書として2冊の本が紹介された。1冊は演劇入門 (講談社現代新書)であり、もう1冊が本書である。
オリザさんがよく言う言葉に「私のワークショップに参加しても、演技はうまくなりません。。私が皆さんに伝えられるのは、せいぜい、演技がうまくなるヒントです。俳優がうまくなるのは、いい作品、いい演出家と出会って、その稽古の中で、本人が本当に研鑽を積んだときだけです。他に何か手品のような方法はありません。」というのがあります。
まさにその通りなんだということがわかります。きっと本書を読んでも演技はうまくならないでしょうね。
実際のワークショップで何をしているかについても書かれています。
実際よりもリアルに感じる演技の世界って不思議だったんですが、それを理解するヒントが手に入りました。
ワークショップを体験し、本書を読んで、演劇の手法って面白いなと思います。
言葉と体験で感じる虚構の中のリアルな世界はとても魅力的です。
自分が持つ世界観が豊かになる1冊です。
オリザさんがよく言う言葉に「私のワークショップに参加しても、演技はうまくなりません。。私が皆さんに伝えられるのは、せいぜい、演技がうまくなるヒントです。俳優がうまくなるのは、いい作品、いい演出家と出会って、その稽古の中で、本人が本当に研鑽を積んだときだけです。他に何か手品のような方法はありません。」というのがあります。
まさにその通りなんだということがわかります。きっと本書を読んでも演技はうまくならないでしょうね。
実際のワークショップで何をしているかについても書かれています。
実際よりもリアルに感じる演技の世界って不思議だったんですが、それを理解するヒントが手に入りました。
ワークショップを体験し、本書を読んで、演劇の手法って面白いなと思います。
言葉と体験で感じる虚構の中のリアルな世界はとても魅力的です。
自分が持つ世界観が豊かになる1冊です。
本書は演出家の平田オリザによる演劇論と演出論の入門書だ。彼が各地で行っているというワークショップの内容と、そこで実際に使われているテキストを書籍化したものと考えていいだろう。
本書はまずそのバランス感覚において優れているといえよう。どんな分野でもそうだが、誰かが入門書を書くとなると、その人の党派性や得意分野というのが表出して玄人からすれば偏ってものすごくいびつな「入門書」ができあがってしまうことがある。その点において、本書はアフォーダンスなどを援用する平田氏独自の考え方や方法と、現代演劇全般にいえることを丁寧に分けながら書いているため、混同する心配はあまりない。近代演劇から60年代のアングラ演劇、そして今の演劇にいたるだいたいの流れも把握できるようになっている。また、カルトと見まがう危険な劇団とそうでないものを見分けるような注意喚起もしている。
評者は演劇畑の人間ではなく、演出家がいったい何をする人で、そして何を目指している人なのかというのに興味を持っていたのだが、この本を読むことで一応の「答え」のようなものは得たような気がした。本文中で時系列のわかりやすい図によって解説しているのでくわしくはそちらを見てほしいが、演出家とは観客の想像力を誘導して、あたかも自分で舞台上の事態に気づいたかのように仕向ける者のことなんだそうだ、なるほど。
演者たちがどうすれば「コンテキスト」の共有ができるかなどの工夫など、演技論としても卓越している。ガラスの仮面よろしく「木になったつもりで」が演技なんだろうと思っている素人の人は、読むと発見が多いはず。
本書はまずそのバランス感覚において優れているといえよう。どんな分野でもそうだが、誰かが入門書を書くとなると、その人の党派性や得意分野というのが表出して玄人からすれば偏ってものすごくいびつな「入門書」ができあがってしまうことがある。その点において、本書はアフォーダンスなどを援用する平田氏独自の考え方や方法と、現代演劇全般にいえることを丁寧に分けながら書いているため、混同する心配はあまりない。近代演劇から60年代のアングラ演劇、そして今の演劇にいたるだいたいの流れも把握できるようになっている。また、カルトと見まがう危険な劇団とそうでないものを見分けるような注意喚起もしている。
評者は演劇畑の人間ではなく、演出家がいったい何をする人で、そして何を目指している人なのかというのに興味を持っていたのだが、この本を読むことで一応の「答え」のようなものは得たような気がした。本文中で時系列のわかりやすい図によって解説しているのでくわしくはそちらを見てほしいが、演出家とは観客の想像力を誘導して、あたかも自分で舞台上の事態に気づいたかのように仕向ける者のことなんだそうだ、なるほど。
演者たちがどうすれば「コンテキスト」の共有ができるかなどの工夫など、演技論としても卓越している。ガラスの仮面よろしく「木になったつもりで」が演技なんだろうと思っている素人の人は、読むと発見が多いはず。