統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ) の感想
参照データ
タイトル | 統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 田崎 晴明 |
販売元 | 培風館 |
JANコード | 9784563024376 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 一般 |
購入者の感想
素晴しい本だと思います。まず、前書きに感動しました。統計力学初心者の素朴な発想や考え方を肯定しつつ、物理の考え方が解るようになっています。「統計力学」では熱力学概念のミクロな説明(関連付け)をしなくてはなりませんが、この本はとても明快で納得の行く説明があります。他の教科書は正確だけれど、なぜこうなの?とか何故こういう風に考えないといけないの?という問に答えてくれませんが、この本では、「そういうことだったのか!」と納得できます。それでいながら、ストーリー展開が論理的です。私にはエントロピーに関する記述が秀逸に感じられました。さらに、ミクロカノニカル分布からカノニカル分布、グランドカノニカル分布の「等価性」については他の教科書にあまり記述が無く、私自身苦しんだことがありましたが、この本はその点が丁寧に書かれていて役に立ちます。世界に類の無い本です。驚きました。小説を読むように引き込まれて電車の中でも読みました。
何か物理学の諸分野を学ぶのに、「この分野を学ぶ為にはあの分野を学ばないと‥‥」と、必ず決まった順序があるかの様に感じている方にも、勇気を出して本書を手に取って欲しい。
始めに統計力学の体系を展開していくのに必要な数学的・物理的な準備が、丁寧且つ明快になされており、気が付けば統計力学の世界に足を踏み入れられる様になっている。
著者による教科書では、予備知識がいささか不足している読者に対しても、こうした配慮が一貫してなされており非常にありがたい。
(添字1つをとっても、誤解の無い様やたら丁寧に書かれている。追記:ただ僕の経験から言いますと、(学んでいない方は)やはり少しでもいいので並行して量子論を学んだ方が良いと思います。そうでないと、本書に誤魔化しは無いのですが、特に二冊目からは自分で自分を誤魔化すことになります(なりました)。一冊目までは大丈夫でした。)
更に勿論本書を読んでも量子力学がきちんと理解できる訳ではないが、量子力学を学んでいる(学んだ)読者の方にも、まだ学んでいない読者にもとても有益であり、またより深く学ぶモチベーションとなることでしょう。
既に出版されていた著者の熱力学の教科書では、その美しい体系を明快に読者に示した反面、様々な演習問題を解くに当たっては伝統的な枠組みよりも少し"弱い"立場であった様に思うが、今回の統計力学の教科書ではそういった事もなく、著者が目指した通りの「標準的」な教科書になっているのではないかと思う。
多くの方に読んで欲しい、最良の一冊(二冊)。
是非一読を。
始めに統計力学の体系を展開していくのに必要な数学的・物理的な準備が、丁寧且つ明快になされており、気が付けば統計力学の世界に足を踏み入れられる様になっている。
著者による教科書では、予備知識がいささか不足している読者に対しても、こうした配慮が一貫してなされており非常にありがたい。
(添字1つをとっても、誤解の無い様やたら丁寧に書かれている。追記:ただ僕の経験から言いますと、(学んでいない方は)やはり少しでもいいので並行して量子論を学んだ方が良いと思います。そうでないと、本書に誤魔化しは無いのですが、特に二冊目からは自分で自分を誤魔化すことになります(なりました)。一冊目までは大丈夫でした。)
更に勿論本書を読んでも量子力学がきちんと理解できる訳ではないが、量子力学を学んでいる(学んだ)読者の方にも、まだ学んでいない読者にもとても有益であり、またより深く学ぶモチベーションとなることでしょう。
既に出版されていた著者の熱力学の教科書では、その美しい体系を明快に読者に示した反面、様々な演習問題を解くに当たっては伝統的な枠組みよりも少し"弱い"立場であった様に思うが、今回の統計力学の教科書ではそういった事もなく、著者が目指した通りの「標準的」な教科書になっているのではないかと思う。
多くの方に読んで欲しい、最良の一冊(二冊)。
是非一読を。