呪縛(下) 金融腐蝕列島II (角川文庫) の感想

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タイトル呪縛(下) 金融腐蝕列島II (角川文庫)
発売日2013-07-17
製作者高杉 良
販売元KADOKAWA / 角川書店
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呪縛(下) 金融腐蝕列島II (角川文庫) とは

99年に原田眞人監督によって映画化され話題を呼んだ高杉作品。前作『金融腐蝕列島』で銀行の闇を描いた著者が、総会屋への不正融資で逮捕者を出した第一勧業銀行事件をトレースしながら再度都銀の膿をえぐり出す。物語は第一勧業本店に地検特捜部の捜索が入った1997年5月から始まる。同様の状況に置かれた朝日中央銀行ではことの重要性を把握しきれていない経営陣がいる一方で、銀行の再生を願って捨て石覚悟で立ち上がる中間管理職グループがいる。闇の社会との決別なくして朝日中央銀行の明日なしとする主人公を中心とした若手は身の危険を感じながらも総会屋の閉め出しを断行する。にもかかわらず銀行経営に影響力を持ち続ける人物の呪縛からは完全に逃れることはできない…。登場人物が多くテンポが速いため金融業界関係者でもなければ第1章は読みづらいかもしれない。しかし章が進むにつれ複雑な銀行内の人間関係、力関係が見えてくるのでページをめくるスピードはストーリーを追うごとに加速度がつく。本書のサブテキストとしてお勧めなのが『金融腐敗=呪縛の検証 会長はなぜ自殺したか』。併読すれば総会屋からの呪縛の背景や自殺を選択した会長の事情がより鮮明になり本書への理解も一層進むだろう。権力を掌握するに従い初心から離れる中山頭取の描写に権力への執着がうかがえ、そのことが新たな呪縛をはらむ予感を残している。(松浦恭子)

購入者の感想

企業はここまで腐敗になるのかと思わせられる。私自身も、企業に勤めているので、単なる小説に思えない。それほどリアルである。著者の描く主人公は、強い面と弱い面を両方もった人物なのだが魅力的に描かれ、主人公に目が離せなくなり一気に読んでしまった。おもしろく、絶望的になる本であった。

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