神も仏もありませぬ (ちくま文庫) の感想

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参照データ

タイトル神も仏もありませぬ (ちくま文庫)
発売日販売日未定
製作者佐野 洋子
販売元筑摩書房
JANコード9784480424938
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品

購入者の感想

最初の「これはペテンか?」は、私自身が言いたかった気持ちを代弁てくれてます。テレビ放送の「ヨーコさんの言葉」は、本の内容を上手に切り取って5分にしているんだなと思いつつ視聴しています。小難しい哲学書や、下手な人生相談より、自分の欲しかった正解を言い当ててくれています。買って良かったです。

ああ、おもしろかった!!というのが、まず来ます。歯切れよく、テンポよくこの世の理不尽さ、人間の不可思議さをぶった切る語り口に引き込まれて一息に読みました。豪快・痛快・爽快、あるいは鮮烈・強烈・清冽とでも言ったらいいでしょうか。ストレートにこちらの胸に響いて、気持ちのいい風を送り込んでくれるような本です。知り合いの農家のアライさんの言葉に「真実」を感じとり、素直に尊敬の念を抱く佐野さん。老いた母との関わりにおいても、寿命が尽きそうな猫を世話している時も、佐野さんの“考える目”はどこまでも透徹していて、そこに人が生きる意味や真実、命あるものへの敬虔な態度を、きっぱりと見せてくれています。そしてまた、言いたい放題言ってるようにみえて、友人とのつきあいの中で案外気を遣う佐野さんのかわいらしさがいいです。佐野さんは、ただ生きて一生懸命生きて、感じて考えてきたことを書いている・・・・それゆえ佐野さんは今日死んでもいいと言い、年が63になっていることに不思議さを覚えるのです。「いったいいくつになったら大人になるのだろう」というふうに。愛想笑いでごまかして、対面ばかり気にして暮らす私には、佐野さんの言葉、「神も仏もあり」ましたよ。

ものごころついてから、今まで読んできたエッセイって、いったい何冊位になるのかなぁ?
その時々で、泣いたり笑ったり、感動させてもらったけど、これほどしみじみといいなぁと思ったエッセイはありません。
著者はいつのまにやら60過ぎてしまった自分を、他人事のように感じながら、浅間山の見える土地で、毎日を淡々と生きています。
特別な出来事も、事件もない日々でも、人間であれば、いろんな思いや感情が毎日の生活に去来するけれど、その胸のうちの
ありのままをありのままに書いて、これほど人の心をうつのは、
著者の視線が、人間としての普遍の感覚に支えられているからだと思います。
年を重ねるにつれ、いろんな欲望や、焦りが少しづつ衰えて、だんだんと自分の人生はまぁこんなもんかなぁなど思うようになる、そんな年代になった人は、本当に共感できると思うけど、多分もっと若い世代の人でも、きっと、漠然と、でもしみじみと、人生っていいなぁって感じられるはずだと思います。
とくに「今日でなくていい」と言ういう言葉は、これからの私の人生の支えになってくれるような気さえ、しました。
この言葉の意味は?
ぜひ読んで感じてください。

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