コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ作品8 の感想

　無伴奏チェロ、と言えばバッハの作品であることが多いわけですが、このコダーイの無伴奏チェロ・ソナタも忘れるわけにはいきません。

　で、コダーイの無伴奏チェロ、と言えばシュタルケルと来るわけです（中でもピリオド原盤のもの）。ピーター・バルトークが吉田秀和氏に「This is my work」と言って差し出したやつですね。

　わたしは評判のいいチェリストがこのコダーイの曲を録音したときくと、つい買ってしまいます。で、因果なことにどうしてもシュタルケル盤と比較してしまう。
　このヨーヨー・マによる再現は、やっと現れた「シュタルケルに比肩する」盤だと感じます。ヨーヨー・マはすでにバッハの「無伴奏チェロ」を２回録音しています。どちらも、素晴らしい。けれど彼の感性に、よりぴったり来るのはコダーイのほうではないか。そんなふうに思います。彼は明朗なチェリストらしく、闊達自在に弾いています。それはバッハのときとおなじ。けれどこの、どちらかと言うと難渋なものとして扱われがちなコダーイの作品の冒頭を数小節ひいただけで「唸りをあげて」という豪快な感じで聴衆の心を「さらって」しまう気持ちのよさ！　うまい比喩ではないかもしれないけれど、ジェットコースター的感覚ではないでしょうか。

　けど、このジャケットの写真、どこなんでしょうね。竜安寺は立ち入り禁止だったと思うけど・・・。見てすぐわかった方がおられたらお教えください。