冤罪と裁判 (講談社現代新書) の感想

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タイトル冤罪と裁判 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者今村 核
販売元講談社
JANコード9784062881579
カテゴリ社会・政治 » 法律 » 暮らしの法律 » 法律入門

購入者の感想

 これまでに数多くの無罪判決を勝ち取った「冤罪弁護士」による、わが国の刑事司法の問題点を追及した書。

 強引な取り調べ、自白の強要、警察組織ぐるみの偽証、証拠品のすり替え――ある日突然、身に覚えのない事件の被疑者に仕立て上げられ、それでもなお無罪を主張し続ける自信のある者がどれだけいるだろうか。本書を読んだ後、その自信は完膚なきまでに打ち砕かれる。警察に「犯人」と目されたが最後、有罪まで一直線に叩き落されるのが現状である。あるいは、仮に警察・検察の捜査に問題があるのだとしても、裁判官の良識に期待する向きは多いかも知れない。しかし、検察官の言いなりに拘留状を発付し、代用監獄を指定し、接見を禁止し、保釈を許可せず、国選弁護人を解任するのは、ほかならぬ裁判官なのである。

 この現状のもとで、警察サイドが「取調べの全面可視化」など認めるわけがない。このような「暗部」を白日の下にさらすことなど、断じてできはしないだろう。警察サイドは言う、「容疑者がカメラを意識する結果、供述を引き出しにくくなるので可視化反対」と。しかし、本当にカメラを意識せざるを得ないのは、警察自身である。

 後半では、刑事弁護の立場から見た裁判員裁判についての論考が収録されている。秀逸であり、説得力に富む。

 多くの国民が本書を読み、背筋の寒くなる刑事司法の問題点を知り、現状を変えていかなければならない。そうあって欲しい。

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