実践・交渉のセオリー―ビジネスパーソン必修の13のコミュニケーションテクニック の感想

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参照データ

タイトル実践・交渉のセオリー―ビジネスパーソン必修の13のコミュニケーションテクニック
発売日販売日未定
製作者高杉 尚孝
販売元日本放送出版協会
JANコード9784140111505
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » ビジネス実用 » ビジネス交渉・心理学

購入者の感想

実際の交渉でよく用いられる13のテクニックについて、企業同士の契約交渉、再就職の面接、電気屋での値引きなど、身近で具体的な「悪い例」と「良い例」を挙げ、解説をしている。非常に読みやすく、これまで交渉について知識がない人でも、交渉術とはどんなものかということが理解でき、また、本書を読むことにより、相手の交渉のテクニックを見破ることができるようになるであろう。逆に、ある程度、交渉に関する経験・知見があるに人にとっては物足りないと感じられるだろうし、実際に、この本に書かれているテクニックを用いるためには、より詳しい専門書を読む必要があるだろう。
そういう意味で、本書は、交渉術の入門書として利用するのが最適である。

本書は、投資銀行業務やコンサルティング業務に長年身を投じてきた著者が、その経験や学術的な研究を通じた確立した、『交渉の定石』を紹介したものである。
 交渉本といえば、『ハーバード流交渉術』(TBSブリタニカ)があまりにも有名。確かに内容のしっかりした良書である。ただ、なかんずく、ビジネス・パーソンにとっての交渉は日常的に出くわすプロセスであるのに対して、同書はその交渉の場面がイメージし難いことやポータビリティに欠けることが難点だった。
 その点、本書は何しろ薄くて小さい。内容もシンプルである。よって、日常的に出くわす交渉に際して、本書を読みながら戦術を考えたり、出先で相手の出方を考えたり、その日の交渉結果を振り返ったりすることができる、非常に『使える』書籍だと思う。交渉が一つのコミュニケーション・スキルだとすれば、箸の持ち方のように身についたら離れ難い性格があると思われる。この点、本書はいつも手元に置いておける「箸の持ち方」の指南役足り得る。
 また、内容もしっかりしている。本書では、交渉を「関係構築のためのコミュニケーション技術」、「お互いの満足を高める双方向コミュニケーション」として捉え、そのための合目的的な手段としての「交渉スタンス」や「交渉技術」を紹介している。また、SWOT分析やSCQA分析、ロジックの重視などBIZスクールやコンサルティングで得たであろう見識、および、ラポール形成など心理学の立場からの見識などを取り混ぜながら、使える本に仕立てている。

交渉とは、「お互いの満足度を高める双方向のコミュニケーション・プロセス」。
このような定義のもと、交渉における代表的なセオリーを学ぶことで、生産的な交渉スキルと悪徳戦術対処法を習得していくための本が本書である。
それぞれのセオリーについては、簡単な紹介と解説、そして交渉例が載せられている。
特に交渉例は、成功の交渉例だけでなく、失敗の交渉例も載せられているところが有用である。
改善すべき点が明確になると同時に、その後の解説に無理なくつながり、理解の助けになっている。
1つ1つのセオリーは10ページにまとめられており、空いた時間でも簡単に読むことができる。
また、紹介されているセオリーの数も13と、それほど多くないため、一気に読み進められるだろう。
現実問題として、本書で紹介されている交渉のセオリーが直接使える場面はどのくらいあるのかという疑問がある。
本書の交渉例のようにうまくいくことはまれで、実際の交渉はもっと複雑であることが多い。
ただ、だからといって、本書が役に立たないというわけでもない。
現実の複雑な交渉においても、冷静に分解してみると本書で紹介されているセオリーが使われていることが多い。基本は大事だということを認識させられる。
また、一度本書でセオリーを勉強しておけば、不意に使われて困るということも少なくなるだろう。相手の交渉戦術を知っているか知らないかは大きく違う。本書の交渉例は疑似体験に最適である。
スポーツ(柔道など)では、基本となる型というものが存在する。
型を試合でそのまま使えることは少ないが、型を知らなければ何もできない。
本書で紹介されているセオリーは、交渉における型と言えるかもしれない。

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