「怖い絵」で人間を読む (生活人新書) の感想
参照データ
タイトル | 「怖い絵」で人間を読む (生活人新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 中野 京子 |
販売元 | 日本放送出版協会 |
JANコード | 9784140883259 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
絵画の鑑賞は,潜入観念なしにその絵画と向き合い,それによって情感的な美を体験するものだとされてきたように思います。本書は,そのような考え方とは全く反対に,その絵画が描かれた歴史的な背景知識を駆使して,絵画の作者の意図をあぶり出し,そのことを通じて,作者が意図した精神的な美を読者に追体験させるという,新しい絵画の鑑賞法へと読者を誘うものとなっています。
本書の最大の特色は,紹介されているすべての絵画について,ポイントとなる箇所に矢印(→)がつけられ,絵画の枠外に鑑賞のポイントが簡潔に記されていることです。この矢印(→)を使ったポイントと解説のおかげで,読者は,本文の解説と相まって,その絵画に隠された「人間の怖さ」と,「作品のすばらしさ」を堪能することができるようになっています。
初めての人には見落とされがちな絵画鑑賞のポイントを的確に指摘してくれる「矢印による解説」は,非常に魅力的な試みです。私のように,すでにNHKの迷宮美術館シリーズや,中野京子さんの怖い絵シリーズ,名画で読み解くハプスブルク家12の物語を読んだ者であっても,新たな視点と,新たな体系で名作の数々を楽しむことができました。
本書の最大の特色は,紹介されているすべての絵画について,ポイントとなる箇所に矢印(→)がつけられ,絵画の枠外に鑑賞のポイントが簡潔に記されていることです。この矢印(→)を使ったポイントと解説のおかげで,読者は,本文の解説と相まって,その絵画に隠された「人間の怖さ」と,「作品のすばらしさ」を堪能することができるようになっています。
初めての人には見落とされがちな絵画鑑賞のポイントを的確に指摘してくれる「矢印による解説」は,非常に魅力的な試みです。私のように,すでにNHKの迷宮美術館シリーズや,中野京子さんの怖い絵シリーズ,名画で読み解くハプスブルク家12の物語を読んだ者であっても,新たな視点と,新たな体系で名作の数々を楽しむことができました。