悪党諸君 の感想
参照データ
タイトル | 悪党諸君 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 永 六輔 |
販売元 | 青林工藝舎 |
JANコード | 9784883790258 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品 |
購入者の感想
講演記録はあまたあれど、刑務所からのライブ中継というのはそうそうあるもんじゃない。1985年の笠松刑務所を皮切りに、各地刑務所を慰問したとき録音してあったものを原稿に起こしたもの。まったくよく残っていたものである。
(爆笑)につぐ(爆笑)、(笑い)につぐ(笑い)。とくに永六輔のあの口調を想像して読めば、絶対に笑える。これが刑務所のなかで話されたことを想像し、娯楽に飢えている「諸君」の身になればさらに笑える。笑えないのは、肉体的な痛みか精神的な苦しみをかかえている人、あるいは純粋無垢な、まだ挫折の一つも知らないうんと若い人だろう。
受刑者を笑い物にして、ときに傷つけ、生きることの意味を搦手で教え、並の芸人にはできない話術で爆笑の渦に巻き込む。だからこそ受刑者たちは出所後も永六輔のことをよく覚えていて、「あのときはお世話になりました」などとシャバで声をかけては永六輔をびっくりさせる。「右翼の外宣車の上からマイクで突然声をかけないように」(爆笑)
刑務所ということを忘れて、窓ガラスを揺する明るい笑い声が聞こえてくるような気がする。「あっそうか、つまらない話でも、作業休んでるの長いほうがいいのかな」(爆笑)
題名の「悪党諸君」というのは、刑務所を慰問したある講演者の第一声であるというが、さすがにこの真似だけはできなかったとか。ああ見えても気が弱いらしい。いや、あたりまえか。
(爆笑)につぐ(爆笑)、(笑い)につぐ(笑い)。とくに永六輔のあの口調を想像して読めば、絶対に笑える。これが刑務所のなかで話されたことを想像し、娯楽に飢えている「諸君」の身になればさらに笑える。笑えないのは、肉体的な痛みか精神的な苦しみをかかえている人、あるいは純粋無垢な、まだ挫折の一つも知らないうんと若い人だろう。
受刑者を笑い物にして、ときに傷つけ、生きることの意味を搦手で教え、並の芸人にはできない話術で爆笑の渦に巻き込む。だからこそ受刑者たちは出所後も永六輔のことをよく覚えていて、「あのときはお世話になりました」などとシャバで声をかけては永六輔をびっくりさせる。「右翼の外宣車の上からマイクで突然声をかけないように」(爆笑)
刑務所ということを忘れて、窓ガラスを揺する明るい笑い声が聞こえてくるような気がする。「あっそうか、つまらない話でも、作業休んでるの長いほうがいいのかな」(爆笑)
題名の「悪党諸君」というのは、刑務所を慰問したある講演者の第一声であるというが、さすがにこの真似だけはできなかったとか。ああ見えても気が弱いらしい。いや、あたりまえか。