起業家はどこで選択を誤るのか――スタートアップが必ず陥る9つのジレンマ の感想

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参照データ

タイトル起業家はどこで選択を誤るのか――スタートアップが必ず陥る9つのジレンマ
発売日販売日未定
製作者ノーム・ワッサーマン
販売元英治出版
JANコード9784862761682
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » オペレーションズ

購入者の感想

この本では、起業家の周りで発生しがちなジレンマについての本です。内容は共同創業者の選択、富とコントロールのジレンマ、株式の配分のジレンマなど、起業する人に関連する起こりがちなジレンマがシリアルアントレプレナーの例を中心に沢山書いてあります。

起業家のみならず、起業家に関わる人全員に対しても勉強になる話です。起業するなら、成功した方がお互い幸せになりやすいです。もし、起業家の家族や友人であれば、一緒に起業しないほうが良いかもしれないと考え直すことができるかもしれません。

この本を読んでから、起業に関わるか決めても遅くないと思います。

実務を教えるのは専門学校で、もっと高いものを教えるのが大学というのが日本の教育産業だが、米国ではトップクラスをはじめとして、大学は実務を教えるところである。老舗や事業家の家に代々伝わる教えのような、起業とビジネスに関することが、米国の10年間のデータをもとに、論理的に、そして、体系的にまとめられている。

創業者は、チャンスを追求するために必要な人的資本、社会関係資本、経済的資本を得るために、権力か富かのジレンマの中で出口を求めて邁進する。創業者は得るものが少ないのか、一番得をするのはVCか、創業者に群がる従業員たちか、読者それぞれに感じるものが違うだろう。

ファウンダーの交代ということでは、アップルのスティーブ・ジョブス、サン・マイクロシステムズのビノード・コースラ、シスコシステムズのサンディー・ライナーとレン・ボザックなど、交代が成功したものとして、本書に登場しない事例もある。しかし、創業者が追い出されて失敗した事例も星の数ほどあることは確かだ。

日本のベンチャー企業となると、どうしてもITがクローズアップされます。業界やトレンド等を鑑みると、メディアも取り上げ易いのでしょうけれども。
さて、本書もITベンチャーの事例がメインに取り上げられています。主にファウンダーのジレンマとなります。なお、結構な数の調査(定量、定性ともに)をされているようですが、本書ではほぼ一人の人物に焦点があてられております。

ジレンマとしては、「ファウンダーの適正」、「起業のタイミング」や「チーム、組織論」などがあげられています。個人的に最も読み応えのあったのは「株式の取り扱い(エクイティ)」のジレンマ。ファウンダー以外のメンバーへのストックオプションをどう配分するのかは、事業の将来を大きく左右します。第一ラウンドで1億円の資本を獲得しても、40%も株式を握られてしまったら、第二ラウンドの増資が大変厳しくなってしまいます(もちろん、給与体系なども多分に関係してきますが)。若いベンチャー企業は、エクイティに関する情報やノウハウを持っていないケースが多いのでは。急いでおいしいエサに飛びついてしまって、貧乏くじを引いてしまわないようにしたいところです。

その他の書籍ではベタではありますが「起業のファイナンス」も大変参考になるかと。CEOの交代に関しては「GILT」が参考になるかと思います。
タイミングを見計らいつつ、最適な人選を行うことは、なんとも大変なことです。日本のITベンチャーも、そろそろCEO交代が出てきても良いのかなと思ったりする企業もいくつかありますが。。。上場前に交代するケースもちらほら出てくるような気がします。

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