はじめよう、お金の地産地消――地域の課題を「お金と人のエコシステム」で解決する の感想
参照データ
タイトル | はじめよう、お金の地産地消――地域の課題を「お金と人のエコシステム」で解決する |
発売日 | 2017-07-12 |
製作者 | 木村 真樹 |
販売元 | 英治出版 |
JANコード | 9784862761675 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
著者は(新聞記者を志すものの夢破れ)生まれ育った地元の地方銀行に就職するもわずか1年半で退職、その後、縁あって東京で「フジロックフェスティバル」のサスティナブルな運営を陰で支える環境NGO、そしてあの小林武史、Mr.Childrenの桜井和寿が組織したNPOバンクの事務局スタッフを歴任した後、地元・名古屋に戻り、自身で地域NPOバンク「コミュニティ・ユース・バンクmomo」を2005年に起ち上げた人物。
現在40歳。
本書を通しての眼目は、初めて就職した地元の地域金融機関の本来の役割に疑問を抱え早々に退職しながら、一旦上京したのち着想を得て、金融の視点を持った自身のスキルから天職を見出して地元に戻り、そこで12名の同志ではじめるNPOバンクが、今や地域金融機関や経済界を巻き込みながら、名古屋に本来、地域金融機関がすべきであろうことを”再発明”し「地域内 ”志金” 循環モデル」を創り上げている、という点にあると思います。
まさに「イノベーションは周縁から」を地で行くようなストーリー。しかもこれが、現在進行中のドキュメンタリーなのですから。
ただし本書は、地方で奮闘するソーシャルビジネス起業のひとりの青春物語ではなく、まさにこの12年間で「ナゴヤ式 ”お金と人のエコシステム” 」の評価と信頼を獲得してきた著者の実践の知見にあふれた書です。
これまでの”貸し倒れゼロ”を可能とする「融資審査」のありかた、融資後のNPOの事業運営を伴走して支えるボランティアチーム組織運営の工夫、融資だけでなく助成を可能にする(地元経済界を巻き込んだ)「あいちコミュニティ財団」の設立、地域内ソーシャルビジネスプレーヤーのネットワークづくり、融資先NPOの成果「社会的価値を”見える化”するプログラム」などです。
いかなる事業も消費も”社会的”観点が影響を及ぼしつつある今日、”地域の課題を「お金と人のエコシステム」で解決する” ナゴヤ式ロールモデルを紹介する本書は、多くの人々の生活に多くの示唆と実践の知恵を与える一冊になると思います。
現在40歳。
本書を通しての眼目は、初めて就職した地元の地域金融機関の本来の役割に疑問を抱え早々に退職しながら、一旦上京したのち着想を得て、金融の視点を持った自身のスキルから天職を見出して地元に戻り、そこで12名の同志ではじめるNPOバンクが、今や地域金融機関や経済界を巻き込みながら、名古屋に本来、地域金融機関がすべきであろうことを”再発明”し「地域内 ”志金” 循環モデル」を創り上げている、という点にあると思います。
まさに「イノベーションは周縁から」を地で行くようなストーリー。しかもこれが、現在進行中のドキュメンタリーなのですから。
ただし本書は、地方で奮闘するソーシャルビジネス起業のひとりの青春物語ではなく、まさにこの12年間で「ナゴヤ式 ”お金と人のエコシステム” 」の評価と信頼を獲得してきた著者の実践の知見にあふれた書です。
これまでの”貸し倒れゼロ”を可能とする「融資審査」のありかた、融資後のNPOの事業運営を伴走して支えるボランティアチーム組織運営の工夫、融資だけでなく助成を可能にする(地元経済界を巻き込んだ)「あいちコミュニティ財団」の設立、地域内ソーシャルビジネスプレーヤーのネットワークづくり、融資先NPOの成果「社会的価値を”見える化”するプログラム」などです。
いかなる事業も消費も”社会的”観点が影響を及ぼしつつある今日、”地域の課題を「お金と人のエコシステム」で解決する” ナゴヤ式ロールモデルを紹介する本書は、多くの人々の生活に多くの示唆と実践の知恵を与える一冊になると思います。