八幡信仰 (はなわ新書59) の感想

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参照データ

タイトル八幡信仰 (はなわ新書59)
発売日1985-08-24
製作者中野 幡能
販売元塙書房
JANコード9784827340594
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 神道・祭祀 » 神道神学

購入者の感想

八幡宮と言えば、古くから武運の神様として知られ、源頼朝が鶴岡八幡宮を氏神として祀った事は有名であろう。
だが、その一方で「八幡菩薩」…という呼称もよく耳にする。
果たして「八幡様」は神なのか仏なのか?!
…そんな基本的、且つ複雑な疑問に答えてくれるのが本書である。

さて、八幡宮は日本に4万社以上あるとされており、皆様の中でも「地元に大きな八幡宮がある」と言う方も多いのではなかろうか。
然しながら、余りにも身近な所為であろうか、その由来については詳しく知らない…という方もいらっしゃるかもしれない(何を隠そう、私自身がそうであった)。
本書は、そんな初心者の為に八幡宮の歴史を遡り、改めて八幡神が応神天皇と同一である事を教えてくれるのだ。
然も「八幡」の語源から「原始八幡信仰」に至るまでを丁寧に辿っているので、今更ながらも「成程、そうであったか」…と納得する事仕切りである。
更に本書は、八幡神のその後の展開…例えば、朝廷、源氏や足利氏等の武家、或いは庶民との関係についても詳しく述べている上に、宇佐宮、石清水八幡宮、鶴岡八幡宮等を具体的に取り上げながら解説しているので、実証性が高かったように思う。

取り分け、神仏習合の問題については重点的に語っている。
冒頭でも触れた通り、神社でありながらも仏教と深い係わりがある八幡宮という存在に興味を抱く人も多いであろう。
それもその筈、八幡宮は真言宗・天台宗と言った平安新仏教と極めて密接な関係を築いていたのである。
これについては本書の中核を成す内容なので、ここで全てを明かしてしまう訳には行かないが、「神仏習合」「本地垂迹」等、日本独特の「神と仏のあり方」に関心がある方にとっては実に貴重な知識が詰め込まれているので、一読の価値がある事は間違いないと思う。

但し、形態こそは簡易な新書であるものの、決して気軽に読み流せるような内容ではない事だけは明記しておきたい。
章分けや構成は実によく纏まっているのだが、その内容は少々学術性が高いようにも思われる。

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