代償的自己を生きる 「いい人に見られたい」症候群 (文春新書) の感想
参照データ
タイトル | 代償的自己を生きる 「いい人に見られたい」症候群 (文春新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 根本 橘夫 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784166607242 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門 |
購入者の感想
著者買いです。この本はその他の著作と比べて、「真の自己」と「偽の自己」ということについて深く掘り下げています。
「いい人に見られたい」ということは、即ち本当はいい人ではない我欲のある自分をダメな存在として自分の中に押し込めて、「いい人」としての偽の自分を演じて生きるということです。
つまり、本物の自分を社会に打ち出すよりも、理想的な自分を演じることで他人からの好評価を得ようとし、次第に他人からの評価によってしか自尊感情を保てなくなる・・・・ということについて深く考察されています。それが、著者の言う「代償的自己を発達させる」ということです。
読んでいる途中には自分の見たくない一面と重なる部分もあり、苦しい時もありましたが、著者の暖かいサポートの言葉で、最後まで読んで本当に良かったなぁと思いました。
救いになるのは、著者は「偽の自己」を捨てるのではなく、これまで頑張って生きてきたその仮面も、自分の人生のために重要であったのだということを強調している点です。
完全に仮面がない人はほとんどいないでしょう。
でも、私は本当の自分を打ち出す割合を増やしていきたいとしみじみ感じました。
著者はドイツの精神科医カレン・ホーナイの著作に影響を受けていると書いてあるとおり、彼女の理論を非常に噛み砕いて実践的に役立つように引用しています。ホーナイ自身の著作は「自己分析」以外は日本語訳で読んでも難解で理解に苦しんでいましたが、この本などでより理解が進んだ気がしました。
「いい人に見られたい」ということは、即ち本当はいい人ではない我欲のある自分をダメな存在として自分の中に押し込めて、「いい人」としての偽の自分を演じて生きるということです。
つまり、本物の自分を社会に打ち出すよりも、理想的な自分を演じることで他人からの好評価を得ようとし、次第に他人からの評価によってしか自尊感情を保てなくなる・・・・ということについて深く考察されています。それが、著者の言う「代償的自己を発達させる」ということです。
読んでいる途中には自分の見たくない一面と重なる部分もあり、苦しい時もありましたが、著者の暖かいサポートの言葉で、最後まで読んで本当に良かったなぁと思いました。
救いになるのは、著者は「偽の自己」を捨てるのではなく、これまで頑張って生きてきたその仮面も、自分の人生のために重要であったのだということを強調している点です。
完全に仮面がない人はほとんどいないでしょう。
でも、私は本当の自分を打ち出す割合を増やしていきたいとしみじみ感じました。
著者はドイツの精神科医カレン・ホーナイの著作に影響を受けていると書いてあるとおり、彼女の理論を非常に噛み砕いて実践的に役立つように引用しています。ホーナイ自身の著作は「自己分析」以外は日本語訳で読んでも難解で理解に苦しんでいましたが、この本などでより理解が進んだ気がしました。