超入門! スラスラわかるリアルワールドデータで臨床研究 の感想

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昨今流行しつつある「リアルワールドデータ」を、体系的に例と限界まで解説した和書は本書が初めてと思います。
今後ガリガリ増えるであろう「仮想コントロール群」との比較研究について行こうとする方は、ぜひお読みください。
ほぼ悉皆調査のレセプトや、全国津々浦々をつなぐ病院間データベース等を元に統計的に処理して
・希少すぎたり倫理的に比較試験ができないケースが比較できるようになる
・疑問符が付く比較試験結果の検証が比較的安価にできる
・RCT至上主義者を説得して論文を通せる
コツと実例が描かれています。

個人的には「やりがちだがやってはいけないこと」（「とりあえずデータもらってから考えるか」でハマる陥穽。典型例は「とりあえず統計ソフトでp＜0.05の関係を見つけてホクホクしながら論文検索したら既報だった」）に大爆笑しました。
観察研究と比較試験の違い等、事前知識がない方にとっては「スラスラ」とまでは言いませんが
理解しやすい記載と思っています。