ハムレット (白水Uブックス (23)) の感想

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タイトルハムレット (白水Uブックス (23))
発売日販売日未定
製作者ウィリアム・シェイクスピア
販売元白水社
JANコード9784560070239
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 戯曲・シナリオ » イギリス・アメリカ

購入者の感想

“To be, or not to be”の名訳、
“「このままでいいのか、いけないのか」”
この一節を読むために本書を購入。
叔父の悪行と直ぐに母親が二夫にまみえる姿に、
狂気とは別に心を病んだ息子の物語。
ハムレットの性格分析以前に、
重度の鬱を患いかけながらも復讐心により、
叔父の性格に対するリスク管理が今ひとつ疎かだった王子のように
私には思えた。

文化教室で小田島雄志氏のレクチャーを聴くことも叶い、
最も心に残っているのは、御自身の事。
私の記憶に間違いがなければ、
年に365公演以上の芝居を観に行くという。
単純計算で、毎日1公演、その何日かは2公演掛け持ちで鑑賞するという精進ぶりである。
学者の凄まじい傾注の様子は、言語学者だった亡き実父で知っているが、
それでも驚嘆した。
この水準の研究者は、やはり、“根っからの”というものもおありになるのだろう。
何れにせよ芯からお好きでないと、出来ない事と拝察した。

その精進の資質は、当然、翻訳に顕れていることが、うかがえる。
戯曲として台詞文のもつリズムの佳さ、
オフィーリアや女性の登場人物の台詞文は、女優が放つそのものである。
かつて、谷崎潤一郎氏の源氏物語の現代語訳を読んだ時、
地の文はともかく、会話文は女形の文章と感じて、
読み進めることを止めてしまった事を想起する。
装幀も美しく、本棚に置いておくと格調高雅が鎮座するのだが、
文豪であろうと、
所有には実用を優先するしかないため、
引っ越しの際、処分してしまった。
つまり、男性が女性の台詞を描くのは、簡単なことではないのである。

また、住環境の事情から、
喫茶店でも仕事をしていたエピソードを知り、
感銘を受けた。
それは、苦労人の美談の類いというより、
市井の中でも執筆や研究に打ち込んだ足跡に、
何か意義を私は感じたのである。
シェークスピアの英華、

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