旗本・御家人の就職事情 (歴史文化ライブラリー) の感想
参照データ
タイトル | 旗本・御家人の就職事情 (歴史文化ライブラリー) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山本 英貴 |
販売元 | 吉川弘文館 |
JANコード | 9784642058100 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
購入者の感想
幕府の就職事情は、御家人抱席より譜代、譜代の御家人より旗本、というように上位に位置する者にとって有利な制度であった半面、御家人が旗本に昇進できる道も僅かに残すなど、幕府が人事制度にいろいろ苦心していた様子が窺えます。また「袋廻シ留」という史料から、抱席と譜代の採用手続きに大きな違いがあることが判った、という記述も大変興味深く読ませてもらいました。ただ、この本を面白いと感じるには、江戸幕府の制度をある程度知っておく必要があります。小川恭一の「江戸の旗本事典」、高柳金芳の「御家人の私生活」、笹間良彦の「江戸幕府役職集成」、松平太郎「江戸時代制度の研究」、などによって、旗本、御家人についての大まかなイメージを掴んだ上でお読みいただくとより理解が深まります。次回は是非、能力次第では下級御家人から旗本職への道も開ける「勘定所」の登用昇進課程などについても触れていただきたいと思います。追伸:表紙と本の内容との関連は薄いようです・・・。