孤狼の血 (角川文庫) の感想

　男性作家が書いたような迫力と女性ならではの緻密な組み立てです。ブルーチーズをかじりながらワインを煽っ
ているよう。暴力団の上下関係や反社会的実力組織の業界用語（いわゆるヤクザ言葉）が超リアル。おまけに広島
弁も自由自在に使いこなしています。ひょっとして著者の周りに広島県出身の警察関係者がいるのではないかと勘
繰りたくなるほどです。ダークヒーローの一匹狼よ、己の血は何処に流れる！　
　読了後、ふっと寂寥感が心を通り過ぎます。

（映画の方は男性客を意識したエロチックなカットやマジックワードありで、場内がざわめく瞬間がありました）