いちばん長い夜に (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトルいちばん長い夜に (新潮文庫)
発売日2015-02-28
製作者乃南 アサ
販売元新潮社
JANコード9784101425535
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

購入者の感想

マエ(前科)持ち女二人組のシリーズ最終巻。全三冊。あっという間に引き込まれて、読了しました。この巻だけ、前二巻と作風がちょっと異なりますね。ここに好き嫌いがわかれると思いますが、私は良かったと思います。このシリーズは、解説でも書かれていますが、主人公の女性二人がとても魅力的に描かれています。しかし、二人の犯した罪は、違うのです。今までは、乃南さんは、あえて、大きなことを描かず、二人を通して、淡々と日常の味わいを、私たちに伝えてきました。しかし、綾香が自分の罪にあえて、向き合うには、大きな出来事が必要だったのではないかと思います。その大きな出来事・・が、この作品の主軸になるのですが、乃南さんは、あとがきで書かれているように、実際に、その出来事に遭遇しておられる。それを書かねばならない、そして、作品に反映させようとしたのは、やはり、作家としての性だと思われます。前二作の作品が好きで、その作風をこの作品にも期待した読者は、肩透かしをくらったかもしれない。しかし、綾香の最後の方で発した言葉は、重く、そして、この物語をうまく締めてくれる、重要かつ心を揺さぶられるシーンとなっております。あの出来事を体験した方は、読むのがつらい方もいるかもしれない。でも、あえて、描く・・・そこに乃南さんの天性の才能を感じました。全三冊、面白かったです!!

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