愛と勇気を、分けてくれないか の感想

歴史小説には　二つのやり方があると言われている。ひとつはいわゆる英雄譚。もうひとつは事実や出来事を固定して架空の人物や状況をはめ込むやり方だ。この小説は後者の方である。登場人物はヒロインの小麦、転校生の桃郎、ゴッドファーザーの息子で伝説的先輩の由木野　この三人を軸に桃郎の転校生の記録としてストーリーは展開する。青春小説のように出会い、苛立ち、恋、　挫折、成功、敗北、別れ、再会　が詰まっている。しかし　苛立ちとゆうのは　由木野だけではなくて　実は　由木野の父親も　息子にさえ敗戰の重みが伝わらない事を感じている。自分たちは　広島を　持ち上げてきたのに　おまえたちに何がわかる　？　
息子と親の世代間対立。
桃郎は　その後音楽フリーライターに、　小麦は市役所の職員に、そして由木野　は姿を消してしまう。
レッドゾーン・フェスはまだ終わってはいない　小麦　桃郎、由木野　それぞれの　心の中で。
この3人が　　新しい困難と課題　すなわち　新しい歴史小説　（たとえば　この度の　広島の豪雨災害）　にどのように 立ち向かうのか、実はひそかに期待している、。