草の根の軍国主義 の感想

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参照データ

タイトル草の根の軍国主義
発売日販売日未定
製作者佐藤 忠男
販売元平凡社
JANコード9784582454352
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

著者は1930年生まれの映画評論家で、雑誌や著書として多くの映画評論を発表しているほか、日本映画大学名誉学長でもある。新潟県生まれの著者は、自ら志願して海軍予科練習生として高野山海軍航空隊に入隊した。しかし僅か三ヶ月後には敗戦となり、特攻隊への入隊は免れた。時に14歳であった。戦後は、国鉄職員、電電公社社員を経て、雑誌編集者そして映画評論家としての道を歩む。膨大な数の映画評論の著書がある。

本書は、少年ながら大人のインチキ臭さを見抜きつつ、あえて少年飛行兵に志願した体験を持つ著者が、少年時の自分や周囲の子供・大人・教師たちの言動を観察して得たものを振り返り、「軍国主義の根っこ」を論じたものである。その結論は、日本の軍国主義は軍部だけが国民を振り回して戦争に突き進んだ、というものではなく、軍部が主導しつつも新聞やラジオを活用して国民を戦争への熱狂へと盛り立ててはじめて可能になった、というものである。つまり日本の軍国主義は、軍部などの権力者と国民の「草の根の軍国主義」とが深く「共鳴」していた結果である、としている。自らの体験と、歴史研究および映画評論とを組み合わせたユニークな論集である。

「2 軍国主義とはどういう主義か?」では、1934年頃に製作された映画『1936年』を引用しながら、「アジアの解放」「東洋の盟主日本の使命」など対中戦争を正当化し、軍国主義を煽るための手段として映画が極めて有効であったことを振り返る。

「3 忠ならんとすれば孝ならず」では、従順な国民作りの過程を論じている。明治政府が国民を教導するにあたり、当初の「幼学綱要」(明治15年)では「孝」(親を重んじる農民のモラル)と「忠」(主君を重んじる武士のモラル)とを併存させいたものの、「教育勅語」(明治23年)では、「忠」(天皇への忠誠)第一として国民教育が完成することを説く。以後、敗戦に至るまで「教育勅語」が「天皇教」の「聖典」であるかの如く、教育で取り扱われ、国民に深く浸透していくのである。

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