我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの (ブルーバックス) の感想

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参照データ

タイトル我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの (ブルーバックス)
発売日販売日未定
製作者藤崎 慎吾
販売元講談社
JANコード9784065167786
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 生物学

購入者の感想

合成生物学の理解に直接的に有益と思われる記述は、「第三章『生命の起源』をつくる」のうちごく一部分だったと感じた。まず、「本書の起源」と「第一章『起源』の不思議」の2つのパートは個人的には(合成生物学の理解を得たいという私の動機からして)まったく読む価値がなく、端的に時間の無駄であった。実際、他ならぬ筆者自身、「まだるっこしいと思う読者は、第二章から読みはじめていただいてまったくかまわない」と書いてある。

本書は全体として、非常に悪い意味で(学者ではなく)ジャーナリストらしい文体で書かれており、主題そのものの科学的・正確な理解のために有益な記述に重きを置くのではなく、筆者の個人的な体験や感慨、どうでもいい比喩や上から目線のお説教調の文章がダラダラととりとめもなく書き連ねられており、他のブルーバックスを読んだときのような満足感がまるで得られなかった。読後感としては、ただただひたすらに時間の無駄であったとしか感じなかった。

科学的知識を一般読者にもわかるように書かれた本を求めているだけで、筆者個人のファンでもなんでもない私からすれば、「本書の起源」が「極端な話、僕が生まれたとき」にまで遡る「と言っても、かまわないだろう」とか、インタビューイーの東京薬科大学名誉教授の山岸明彦氏が「研究室を訪れた私を柔和な笑顔で迎えてくれた」とか、潜水調査船に乗り込んだ筆者が、熱水噴出域で「あろうことか『温泉卵』をつくろうと」したこととか、「システインができないと、タンパク質は立体構造をつくれない」等、このアミノ酸(=システイン)は生物にとって欠くべからざる有益な機能を持っているのだから、くせ毛の人もうんざりする必要はないとか・・・・・まったくもって何の役にも立たずまたユーモラスとも思えない記述が連発し、ブルーバックスを読んでいることを何度も忘れてしまいそうになったほどである。

久々に読んで大失敗したと思った本。

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