悪魔が殺せとささやいた―渦巻く憎悪、非業の14事件 (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 悪魔が殺せとささやいた―渦巻く憎悪、非業の14事件 (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101239170 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
「黒い報告書」に代表される新潮社のお家芸・実録犯罪ルポ。法廷から事件の概要を説明したうえで、犯人の生い立ちにまでさかのぼり、その後の生活環境を丁寧に描写。そして、クライマックスは殺人シーンの再現という手順はライターの力量も十分で、様式美を感じるほどレベルが高い。深い憎悪や犯人にとっての「必然性」が殺人には絶対必要だ、という正気側の常識や倫理は、いともかんたんに覆されて、その境界線は高く固い壁などではなく、ほんとうに薄い膜程度のものにすぎない、という読後感は背筋が寒くなる。