持丸長者[幕末・維新篇]―日本を動かした怪物たち の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル持丸長者[幕末・維新篇]―日本を動かした怪物たち
発売日販売日未定
製作者広瀬 隆
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478920442
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

日本では欧米やイスラム諸国とことなり、富豪が表れにくい状況があります。が、フォーブスその他の富豪ランキングがニュースになりますから番付表が興味をそそるのは相撲と同じかもしれません。

『赤い盾』により、欧州金融史をロスチャイルド家を方法論的に中心に置き、その内実を網羅的に暴いた広瀬隆だが、今回のテーマは幕末維新。日本における紡績業など産業資本の発達、独占資本となった三井・三菱のような政商の分析は、具体的に個人名を挙げているいつものスタイルである。私は、広瀬隆の『赤い盾』の一部について、ウィキペディアで裏取りをしたことがあるが、おおむね正確であることが確認できた。彼は方法論として、ロスチャイルド家を中心に物事を見ていただけであり、太田龍のような陰謀史観の見方とは違う。この『持丸長者』も幕末において、後の藩閥政治を牛耳ることになる、英国と連合した長州・薩摩・土佐閥と、それを対比するかのように、フランスの協力を仰いで公武合体を唱えた小栗上野介の系譜を、小栗の系譜が作り上げた産業資本を、薩長が強奪したとして描き、帝国主義にひた走る明治政府への批判につなげている。岩波新書の石井孝による『明治維新の舞台裏』は、イギリスに操られた上で、フランスと組むよりは上策だったとの視点で書かれているが、広瀬史観の描き方と似ている部分もある。あくまで公武合体を唱えた小栗の系譜を尊重する広瀬の書き方は、一種の稗史(はいし)のようでもあるが、勝ち組史観では見えてこない権力の真実が鮮やかに描き出されている。

ここまでまんべんなく薩長藩閥から財閥につながる系譜を描き出されると、後の研究者はつらいと思う。広瀬の通った後にはぺんぺん草しか生えないということだと思う。それほど網羅的であるということなのだ。この本の読解にはかなりの時間と根気を要するが、三回はメモを取りながら読み返していけば何か今までの理解を超えた別の像が浮かび上がってくるはずである。

日本版・赤い盾、そして一本の鎖である

遂に、広瀬隆氏が日本の幕末から維新時代の日本の持丸長者たちに、その目を向けた

歴史が真実であるとは限らない

日本の教科書が正しい歴史を教えているとは言えない

「逆もまた真なり」もしくは「逆説の日本史こそ真実なり」である

お馴染みの広瀬隆流もしくは広瀬隆的と言える、独特で圧倒的な筆致力で、読者を一気に広瀬隆ワールドへ惹きこむ、その文章構成力には感嘆するほかない

日本が世界に誇る憂国の書士の持丸長者・第一弾である

日本の戦後復興には何人もの偉人がおります。電気、自動車、医療等々。
事業を起こすには資本が必要。どういった人物が資本をだして産業を
発展させていったのか?とても興味深く読めます。緻密に書かれている
ので、楽には読めません。気合いいれてがんばりましょう。
と、歴史を学ぶと、なぜ故に2008年の現在がこんなにも閉塞してしまって
いるのか?政府や公務員が完璧に枯れ果ててしまったのか?
この先どうなるのか考えてしまいます。
 この本のように膨大な労力と知力をつぎ込んだ本が、たったの1900円
で書店に並んでいる事そのものが日本社会の美点です。
 利権官僚、利権政治家、利権マスコミに対して、ハナクソ以下の
書き方しかしていませんが、それでも発禁はされず、この本は売ら
れています。 まだ、希望はあるのかもしれません。
 次は「教育」「技術研究」について徹底的に書いてほしいです。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

持丸長者[幕末・維新篇]―日本を動かした怪物たち

アマゾンで購入する
ダイヤモンド社から発売された広瀬 隆の持丸長者[幕末・維新篇]―日本を動かした怪物たち(JAN:9784478920442)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.