30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと の感想

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タイトル30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと
発売日販売日未定
製作者宇佐美 典也
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478021606
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

辞めたてほやほやの経済産業官僚による、等身大のキャリア官僚体験記。

評者も同じ職場に居たことがある「過去官僚」だが、読み進めるにつれ、若き日の情熱と充実感、心身の限界を超える業務量と熾烈を極める省庁間協議、低い給与に無い休み・・・などの想い出?がありありと走馬燈のように甦(よみがえ)った。当時から決して恵まれた職場とは言えず、ワーク・ライフ・バランスなどという概念すらなく、体を壊して辞める同僚が何人も居た。

それでも、「日本は俺たちが支えるんだ」という自負心だけを頼りに、生きてきた。

だが、心が折れるまでにそれほど長い時間はかからなかった…。

本書を読んで、事態は15年前よりさらに悪化していることがわかった。給与は削減され、低い給与と長すぎる勤務時間を補完するための公務員宿舎も取り壊され、若手は入ってこない…。我々は、自らの社会・経済活動を支えてくれる公共財である政府組織を、今、自らの手で滅ぼそうとしているのだ。

特に罪が重いのは野田総理だ。彼は霞が関の官僚を、税金にたかる「白アリ」呼ばわりした。私は、この発言は万死に値すると思う。

マスコミからの批判ならまだしも、自らが所属する組織のトップである内閣総理大臣から職務の存在価値を否定されて、仕事を続けていける公務員が何人いるだろうか? あなたがもし、職場の上司から「君は無駄飯食いだねぇ」とか、「君の仕事には何の意味も無いよ」とか、「君は選挙で選ばれていないからその仕事をやる資格はないんだ」などと毎日毎日言われ続けて、何日間その仕事を続けていられるだろうか?

1995年頃、ハーバード大学に留学していたとき、普段は威張っている国際関係論の教授がぽろっと「アメリカでは民間に行けない人が公務員になるが、日本では一番優秀な人が公務員になるのが羨ましい。通商交渉ではその差が出る。」と語ったのが印象的だった。

だが、それも前世紀の昔話になったようだ。本書は語る。「ここ数年、従来では辞めることなど考えられなかった若手のエース級官僚の転職が目立つようになりました。若手官僚の間には、かつて無いほど政府に対する失望感が満ちているのです。」

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