モーツァルト:弦楽五重奏曲全集 の感想
参照データ
タイトル | モーツァルト:弦楽五重奏曲全集 |
発売日 | 2010-02-24 |
アーティスト | アマデウス弦楽四重奏団 |
販売元 | ユニバーサル ミュージック クラシック |
JANコード | 4988005603326 |
Disc 1 : | 弦楽五重奏曲 第2番 ハ短調 K.406(516b) 第1楽章:Allegro 弦楽五重奏曲 第2番 ハ短調 K.406(516b) 第2楽章:Andante 弦楽五重奏曲 第2番 ハ短調 K.406(516b) 第3楽章:Menuetto in canone-Trio in canone al rovescio-Menuetto 弦楽五重奏曲 第2番 ハ短調 K.406(516b) 第4楽章:Allegro 弦楽五重奏曲 第3番 ハ長調 K.515 第1楽章:Allegro 弦楽五重奏曲 第3番 ハ長調 K.515 第2楽章:Andante 弦楽五重奏曲 第3番 ハ長調 K.515 第3楽章:Menuetto.Allegretto 弦楽五重奏曲 第3番 ハ長調 K.515 第4楽章:Allegro 弦楽五重奏曲 第5番 ニ長調 K.593 第1楽章:Larghetto-Allegro 弦楽五重奏曲 第5番 ニ長調 K.593 第2楽章:Adagio 弦楽五重奏曲 第5番 ニ長調 K.593 第3楽章:Menuetto.Allegretto 弦楽五重奏曲 第5番 ニ長調 K.593 第4楽章:Allegro(2.Finale) |
Disc 2 : | 弦楽五重奏曲 第1番 変ロ長調 K.174 第1楽章:Allegro moderato 弦楽五重奏曲 第1番 変ロ長調 K.174 第2楽章:Adagio 弦楽五重奏曲 第1番 変ロ長調 K.174 第3楽章:Menuetto ma allegro 弦楽五重奏曲 第1番 変ロ長調 K.174 第4楽章:Allegro 弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K.516 第1楽章:Allegro 弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K.516 第2楽章:Menuetto.Allegretto 弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K.516 第3楽章:Adagio ma non troppo 弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K.516 第4楽章:Adagio-Allegro 弦楽五重奏曲 第6番 変ホ長調 K.614 第1楽章:Allegro di molto 弦楽五重奏曲 第6番 変ホ長調 K.614 第2楽章:Adagio 弦楽五重奏曲 第6番 変ホ長調 K.614 第3楽章:Menuetto.Allegretto 弦楽五重奏曲 第6番 変ホ長調 K.614 第4楽章:Allegro |
カテゴリ | ミュージック » ジャンル別 » クラシック » 室内楽・器楽曲 |
購入者の感想
モーツァルトのクインテット全曲が収録されているわけですから、演奏や録音状態の良し悪しをあげる前に、そもそもK515と516という大傑作自体を意識する必要がまずあるでしょう。とはいえ、これまで自分にとってこの両作品はそう頻繁に聴きたくなる作品ではありませんでした。だからこそ到着してすぐにK516ト短調を聴いてみました。「たしかにモーツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。涙の裡に玩弄するには美しすぎる」かつて小林秀雄はそれをこう表現しました。しかしモーツァルトの音楽に、そもそもかなしさなどという野暮なものはありません。不意に訪れるモーツァルトの短調、それは一瞬の翳りと不安です。しかもそれは常に出来すぎの不安なのです。いわば凛々しくてカッコよすぎる不安。そんな不安を抱く男に誰が同情などするだろうか。聴いていてそんな思いに誘われました。また一方でK515ハ長調の演奏には、かつて音楽史家アルフレート・アインシュタインが、あのピアノ四重奏を評していみじくも語った「モーツァルトの天国」というイメージの、それがものの見事に表現されているかに思われます。つまるところ大袈裟な言い方になりますが、長年音楽を聴いてきて、演奏家の力量の違いというものをこれほど痛感させられた演奏は、ちょっとほかに記憶がありません。まったく脱帽です。もっともっと早く知るべきでした。ただし、そうだったかな?と思って、ほかの演奏とブックレットを確認したところ、やはりK515のアンダンテとメヌエットの収録順序が逆になっていますね。このブックレットには正しく表記されていますので、演奏家の方で敢えて意図的に行ったのではなく、単純な編集時の誤りだと思います。まあ、聞き方によっては、それもありかもしれませんね。