SCENE - Remix ver. -(UHQCD) の感想

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SCENEのリミックスはオリジナルが制作された時代が時代なだけに、物凄い期待をしていましたが、SCENE IIのような目覚ましい進化とは全く違いました。

SCENEとSCENE IIはクレジット見るとエンジニアが違っているので、これはひとえにエンジニアのセンスが試された作品です。

当時と今では表現力が著しいリバーブのかかり方。当時のチープなデジタルリバーブ感を今の技術でもって蘇るのを期待していましたが、不自然にウエットなリバーブ感の変貌はありませんでした。

また、驚いた点は、リミックスしたことによって、オリジナルを下回っていしまっている曲があることです。例えば、4曲目の「MY Mr. LONELY HEART」はEQで高域が持ち上げされ、オリジナルの不自然さとは違う意味の不自然さが印象に残ります。

1曲目から10曲目まで通して、ベースがデカすぎるのと同時に、トータルにコンプが不自然なくらいかかりすぎていて聴きづらく、クオリティがオリジナルを下回っていたのが少し残念です。

このようにSCENEはSCENEIIでは、曲によるミックスのバランスが大きく違うので、マスタリングでただマキシマイザーで音量を統一したやっつけ感が拭えません。

しかし、不思議なことに11曲目の「大人じゃなくていい」この一曲だけ、まともなミックスで現代の音に生まれ変わっています。現在、1988年のCDと、2005年のリマスター盤と2018のリミックスがありますが、クオリティの観点から言うと、1988年版がベストな状況です。

また、今回のSCENE IIの制作チームで、この作品のリミックスに取り掛かっていれば、恐らく、このような結果にはならなかったのではないかと思います。