アルビノーニのアダージョ~バロック名曲集 の感想

もう四半世紀以上たつのかなぁ…カルミレッリのイ・ムジチを某文化会館杮落としで聴きました。

その公演中とんでもないアクシデントが起こりました。
暖房による温度上昇(？)で演奏中ホールの天井が「ドーン」と雷鳴のような大きな音をたてたのです。その刹那イ・ムジチの演奏が止まり、聴衆もざわつきだしました。楽団員の、確かビオラ奏者だったと記憶しますが、その人など演奏を邪魔された事への明らかな怒気を現し立ち上がり天井を睨みつけました。今にも帰ってしまいそうな勢いでした。
が、その時です、コンサートマスターたるカルミレッリは何事もなかったかのように演奏を始めたのです。それに続いて楽団員たちが次々演奏をはじめビバルディは無事最後まで奏でられました。

イタリア政府からストラディバリを終身貸与され、世界的室内楽団イ・ムジチのコンサートマスターを務める理由がそれだけで十分理解出来ました。
そのカルミレッリ率いるイ・ムジチの小品演奏を収録したこのCDを購入できた時は、クラシック音楽から遠ざかって久しい自分にとってサプライズを伴った悦びとなった事は言うまでもありません。