樹から生まれる家具―人を支え、人が触れるかたち (百の知恵双書) の感想
参照データ
タイトル | 樹から生まれる家具―人を支え、人が触れるかたち (百の知恵双書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 奥村 昭雄 |
販売元 | OM出版 |
JANコード | 9784540031571 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
著者の奥村昭雄氏は建築家であり、パッシブソーラーシステム・OMソーラーの生みの親でもある。
氏の師匠は吉村順三であるから、系譜を遡るとアントニン・レーモンドから、フランク・ロイド・ライト
へと至る。
建築の分野では超の付く良血統であるが、本書を読むと、氏の家具にかける情熱は、
建築に対するそれと同じ、或いはそれ以上なのではないかと思えるほどである。
材種や材料の選定、乾燥、加工の各工程が懇切丁寧に説明されているだけでなく、
作品の製作意図や氏の代表作である「はんぺん椅子」を例に見る実際の製作プロセス、
巻末の方にはロッキングチェアーを作った際の実験の結果が詳細なデータと共に書かれており、
通しで読んでも、興味のある箇所を拾い読みしても、勉強になることばかりである。
ニトリやIKEAの安価な家具が全盛の昨今、この本に書かれた家具作りの方法は、
時代遅れであるかも知れない。
しかし、全編貫かれている「ものづくり」の思想は、決して色あせない。
いや、日本人として色あせさせてはならないスピリットである。
また、本書は、単純に読み物としても大変面白いことを付け加えたい。
奥村氏の文章は、氏の作られる家具と同様、シンプルでとても読みやすい。
冒頭、氏が若かりし頃、数奇屋大工の名工・中村外二棟梁と会話をしながら、
材木を選ぶ様子が書かれているが、外二氏の木材に対する造詣と深い愛情が、
こなれた京都弁を通してリアルに伝わり、情景がありありと思い浮かぶ。
木の家具が好きな方はもちろん、今まで興味が無かった方でも、読んで必ず損の無い一冊である。
氏の師匠は吉村順三であるから、系譜を遡るとアントニン・レーモンドから、フランク・ロイド・ライト
へと至る。
建築の分野では超の付く良血統であるが、本書を読むと、氏の家具にかける情熱は、
建築に対するそれと同じ、或いはそれ以上なのではないかと思えるほどである。
材種や材料の選定、乾燥、加工の各工程が懇切丁寧に説明されているだけでなく、
作品の製作意図や氏の代表作である「はんぺん椅子」を例に見る実際の製作プロセス、
巻末の方にはロッキングチェアーを作った際の実験の結果が詳細なデータと共に書かれており、
通しで読んでも、興味のある箇所を拾い読みしても、勉強になることばかりである。
ニトリやIKEAの安価な家具が全盛の昨今、この本に書かれた家具作りの方法は、
時代遅れであるかも知れない。
しかし、全編貫かれている「ものづくり」の思想は、決して色あせない。
いや、日本人として色あせさせてはならないスピリットである。
また、本書は、単純に読み物としても大変面白いことを付け加えたい。
奥村氏の文章は、氏の作られる家具と同様、シンプルでとても読みやすい。
冒頭、氏が若かりし頃、数奇屋大工の名工・中村外二棟梁と会話をしながら、
材木を選ぶ様子が書かれているが、外二氏の木材に対する造詣と深い愛情が、
こなれた京都弁を通してリアルに伝わり、情景がありありと思い浮かぶ。
木の家具が好きな方はもちろん、今まで興味が無かった方でも、読んで必ず損の無い一冊である。