カルロス・クライバー: 孤高不滅の指揮者 (KAWADE夢ムック 文藝別冊) の感想

　ざっと読んだだけですが、竹森道夫氏の証言は面白かった。あとは特にありません。H氏は相変わらずです。
　このレビューを書く気になったのは、歌崎氏のDVDガイドがあまりに酷いからです。
　氏が出筆しているのは、1989年のニューイヤーコンサートですが、92年と混同しているようです。89年のコンサートマスターは、キュッヒルでヘッツエルではありません。このくらいは許せるとしても、アンコール｢青きドナウ」の出だしのトレモロを中断して新年の挨拶をするくだりは、とても評論家とは思えません。
　氏はクライバーが挨拶をするのを忘れ、演奏をを止めて挨拶をしたと言うのです。殆どのクラシックファンは知っていると思いますが、これは例年お決まりのパフォーマンスです。そんなことも知らないのでしょうか？ニューイヤーの中継を観たことがないのでしょうか？
　本当に驚いてしまいます。そして、この雑誌の編集者たちは何のチェックもしなかったのでしょうか？それとも、編集者たちも無知だったのでしょうか？
　編集部の猛省をお願いします。