始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎 (集英社新書) の感想

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タイトル始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎 (集英社新書)
発売日2019-04-17
製作者渡邉 義浩
販売元集英社
JANコード9784087210750
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » アジア史 » 中国史

購入者の感想

主に、前漢・武帝の治世に至るまでの古代中国史を「殷」「周」時代の国家の成り立ちから、春秋・戦国期をへ
て、「覇者」「王者」の時代にうつりゆく変遷を綴る。
英雄たちの業績を漫画で抜群の箇所に挿入するだけでなく、図版や地図を添えており、ビジュアルとして頭によ
く残る。
しかも、楊端和(ようたんわ)、羌瘣(きょうかい)、王翦(おうせん)、麃公(ひょうこう)、騰(とう)、
桓騎(かんき)など豊富に英雄たちの“コラム”をまじえ、何より「紀伝体」でいきいきと綴られた人物描写など、
文章の書き方はよく洗練されており、読みやすく、また常に「問い」を発し、飽きさせない。

「問い」と言えば、戦国の七雄の中で、「楚」は独立性の高い王族は1000人を超えており、国力からすれば中華
統一にもっとも近かったはずである。なのに「ポスト氏族制社会」=「氏族制社会のあと」に、なぜ中央から遠く
に離れた「田舎者たち」=「秦」が、最先端の社会体制を構築できたのか!?
孝公時代の「商鞅の変法」が「秦」の「法家の思想」の中核をなし、統一に向けて国内のすべてのリソースを戦争
での勝利に投じる法家は優れていたのに、なぜ平和になったとたんに国の維持には不向きなのか!?
始皇帝=嬴政(えいせい)はなぜ不老不死の“霊薬”を求め、「秦」が短命に終わったのか!?
その上で、孔子の説く「儒家の思想」をさらにアップデートさせて、“孟子”は“下克上を奨励”するにいたったのは
なぜか!?
封建制、郡県制、郡国制という「統治」がなぜ「思想」と不可分に結びついているのか!?
春秋後期から発生した「鉄の大量生産」と「牛犂耕(ぎゅうりこう)」による技術=「当時のIT技術」がなぜ革新
的であったのか!?

上記に掲げたこのような「問い」はほんの一端に過ぎず、“これでもか”というぐらいに『キングダム』の深淵を掘
り返す。
これまで、数多くの著者がキングダムの人気にあやかり、ややすっきり“腑に落ちない”著作が多い中にあって「始
皇帝 中華統一の“思想”『

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