人間ぎらい (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル人間ぎらい (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者モリエール
販売元新潮社
JANコード9784102059012
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 戯曲・シナリオ » フランス

購入者の感想

"どこに行っても、卑しい阿諛追従ばかりだ。奸計ばかりだ。もう我慢ができん。腹が立つ。僕は今日から、全人類にむかってまともに反抗してかかる覚悟だ。"鋭い風刺の込められた喜劇にてフランス古典喜劇を完成させたとされる著者による1666年初演、性格喜劇の傑作にして作品転換の基点にもなった本書は、時代を超越した魅力に溢れる【人間の明るさと暗さ】が見事にブレンドされた悲喜劇。

個人的には、少し後に活躍したイングランド、シェークスピアの作品に触れる機会は多くも、尾崎紅葉により1886年に国内紹介された著者の作品にはこれまで触れる機会がなかった事から今回本書を手にとったのですが。

初めて『星の王子さま』と訳した事でも知られる訳者が素晴らしいのか、やや時代がかった言い回しで終始展開されていく【拗らせ男子】(よく言えば純真)と【腹黒女子】(同じく、よく言えばコケティシュな若い未亡人)の恋愛を軸にしたシンプルな物語である本書。約350年前のフランスで上演されていたとは思えないくらいに古臭さが全くなく、それこそ舞台を現代日本、配役を京都辺りの【腐れ大学生と謎めいた女性】としても全く違和感がない(あれ、○見登美彦作品みたい?)【普通に喜劇として面白い】事にびっくりしました。

中でもお気に入りの場面は、ヒロインの未亡人が女友人と繰り広げる(お互いに)【相手の為を思って】と前置きした上で、オブラートに包み込んで?【ページ一杯に怒涛の如く繰り広げられる】中傷合戦。"いつの時代も女子怖ー"と、まるで当時の観客になった気分で、腹を抱えて笑ってしまいました。(全国の淑女の皆様、お気持ちを害されたら小生の不徳の致すところ。心よりお詫びします)

たまには喜劇でスッキリしたい誰か、拗らせ男子物語が好きな誰かにオススメ。

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