荒野へ (集英社文庫) の感想

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参照データ

タイトル荒野へ (集英社文庫)
発売日販売日未定
製作者ジョン・クラカワー
販売元集英社
JANコード9784087605242
カテゴリ文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » 英米文学

購入者の感想

タイトルと、謎めいたバスに惹かれて一気に読んだ(表紙の写真は単行本の方が陰影がいい)。

いろいろセンセーショナルな事件が起きるが、ニュースで流れる情報や表面的な事象ではなく、意味するところは深く別のところにあるのだと考えさせられた。

人はなぜ「荒野へ」行きたがるのだろうか。
自らの可能性の確認、現状への不満いらだち、居場所を求めて、イジメが辛い、逃避の必要性、未知への冒険・挑戦、漠然とした期待、仕返し。。理由はもっとあるだろう。
そして本を読んで確信が心に落ちてきた。
誰も意識してないかも知れないが、人で、荒野に生きてない人はいない。勿論アラスカや砂漠に住んでいるという意味でなく。
みんな夫々の「荒野」で生きている。
サラリーマン、子育て中の母親、高齢者、学生、幸せな人、不幸にある人。。私もあなたもだ。
マッカンドレスも自分の荒野にいながら、所謂「荒野」に向かったのだ。
残念ながら生還することはなかったが、クラカワーが彼の足取りを追い、命の最期までを推理したこの本は世論をはねのけ温かい。
無謀だの無知だのと、人を批判する資格は誰にもない。

さて、自分の荒野をどう生きるか。
これこそ生涯かけての命題であるが、地平は360度あり、どこをどう行くのか判断も選択も任されていて、先がわからないながらも生きていくのは面白い。

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