ヴェニスの商人 (まんがで読破) の感想
参照データ
タイトル | ヴェニスの商人 (まんがで読破) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | シェイクスピア |
販売元 | イースト・プレス |
JANコード | 9784781601687 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック |
購入者の感想
オリジナルを読んだことがあるが、本作はほぼきちんと再現されている。ただ、文章で読むより絵になるとその説得力は格段に上がる。同時に、キリスト教徒のユダヤ人差別のえげつなさが際立つ。法と司法の中立性は商売をする上で重要だ。商売とは契約の履行に他ならない。契約不履行に対しては厳格な事実認定と制裁が必要だ。当時はイギリスもフランスもドイツもイタリアに比べればはるかに司法制度が遅れていた。その恩恵にあずかっていたのはキリスト教徒の商人だけでなく、ユダヤ人も同じだった。だからこそ、罵声を浴びても一枚の契約書を盾に権利を主張できた。
ただ、シェイクスピアの失敗は法の適用において詭弁を弄した点だろう。当時のイタリアの判事は肉に血は含まれないなどという詭弁はとるまい。契約条項を審査し個別に効力の判定を行い、関連法の適用により判決を下すだろう。
キリスト教国での興行のために書かれた以上、キリスト教徒が拍手喝采できなければならない。結末は異様で差別意識むきだしだが、少なくともイタリア、ベニスの契約法の公平性を推察させてくれる点は拾うべきだろう。
ただ、シェイクスピアの失敗は法の適用において詭弁を弄した点だろう。当時のイタリアの判事は肉に血は含まれないなどという詭弁はとるまい。契約条項を審査し個別に効力の判定を行い、関連法の適用により判決を下すだろう。
キリスト教国での興行のために書かれた以上、キリスト教徒が拍手喝采できなければならない。結末は異様で差別意識むきだしだが、少なくともイタリア、ベニスの契約法の公平性を推察させてくれる点は拾うべきだろう。