新訳 十二夜 (角川文庫) の感想

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タイトル新訳 十二夜 (角川文庫)
発売日2011-10-25
製作者シェイクスピア
販売元角川書店(角川グループパブリッシング)
JANコード9784042106197
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 戯曲・シナリオ » イギリス・アメリカ

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シェイクスピア(1564-1616)の、『夏の夜の夢』『じゃじゃ馬ならし』『空騒ぎ』『お気に召すまま』と続いた"喜劇時代"の最後の作品、諸説あるが1599から1601年頃の作とされる。なおこの後、四大悲劇を産み出すことになる"悲劇時代"へと向かっていく。

本作は、主人公女性の異性装とそれによって瓜二つになってしまった双子の兄妹と云う設定によって惹き起こされる勘違い・食い違いがその動力となる、ドタバタ恋愛喜劇。喜劇の登場人物は、躍動的であるに限る。

ヴァイオラ――・・・。/なんて罪作りなの、変装って。/悪魔でも、見かけをごまかして人を騙す。/ハンサムな悪党なら、’のように柔らかい女の心に/いともたやすくその姿を刻みつけてしまう!/ああ、仕方ないわ、だって、女は弱き者。/女はそういうふうにできているんだもの。/一体どうなるのかしら。私のご主人様はお嬢様をこよなく愛し、/私は(哀れな化け物!)同じくらいご主人様を愛し、/お嬢様は(間違えて)どうやら私にお熱。/てことは、どうなるの? 私は男だから、/ご主人様から愛してもらえる見込みはない。/私は女だから(ああ、なんてこと!)/お気の毒なオリヴィア様、どんなに溜め息をついても無駄。/・・・。

シェイクスピアの作品は、喜劇であれ悲劇であれ、外見/内面、言葉/内実、則ち内/外の間に予め本質的に横たわっている否応のない無の深淵をモチーフにしたものが多いように思う。その空隙こそが、生の在りようであると云わんばかりに。その"距離"から惹起される悲喜劇こそが人生であり、それは各人が仮面を被って台詞の如く言葉を繰って演じる芝居であると云わんばかりに。

道化――・・・。何という時代だ! 頭のいい人にかかると言葉なんて、くるっとひっくり返されちまう――あっという間に裏返しだ。
  ・・・
道化――だから妹は名前がなかった方がいいと思ったんですよ。
  ・・・
道化――だって名前は言葉ですからね。その言葉をもてあそぶやつにいたずらされて、妹は淫らになっちまう。まったく、言葉なんて、証文が必要になって以来、信用なくした悪党だ。
  ・・・

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