住友化学 殺虫・殺ダニ剤 粘着くん液剤 1L の感想

ハダニの薬は使用できる回数がかなり少なく計画的にスケジュールを作っても害虫真っ盛りのピーク時にはとても間に合わない。使用回数制限のない粘着くんでその間を補おうとローテーションに組み入れてみた。気門封鎖によって殺すということで薬剤耐性の付いた幼虫～成虫のハダニにも使えるメリットもあり補完以上の期待を持ってさっそく100倍でバラに。表側だけでなく葉裏もしっかり散布。
翌朝ルーペで確認すると確かに動きの止まったハダニもいたのだがわずかに動いているものもいる。
ハダニの中でも黄色～オレンジ色のぷりっとしたやつ。
あれ？効かない？
粘着くんの情報を調べてみると殺虫スペクトラムというところに
ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、りんごハダニ、みかんサビダニの若齢幼虫～成虫までには死虫率90%以上という高い効果を示しているようだが、チャノホコリダニには効果なし（死虫率10%以下)と書いてある。
で、チャノホコリダニを調べてみると主にナス、ピーマン、キュウリなどにつくとのこと。バラにつくのかは不明だが写真を見ると葉裏にいたやつとすごく似ている。

いろいろ調べてみると
高知県農業技術センターのセンターニュース第57号
「チャノホコリダニへの気門封鎖型殺虫剤の効果」(PDF)に
チャノホコリダニの補正死虫率は
アカリタッチ乳剤　100%
粘着くん液剤　19.0%
エコピタ液剤 0.0%
サンクリスタル乳剤 46.7%
(アーリーセーフ）
オレート液剤 24.0%
となっている。
アカリタッチ乳剤はチャノホコリダニの防除薬剤として有効で、サンクリスタル乳剤も連続散布で用いれば利用可能と考えられるとのこと。

サンクリスタル乳剤（アーリセーフ）はバラには適用があるがアカリタッチは適用がないのが悩みどころ。
宮城県農業・園芸総合研究所の「気門封鎖型薬剤によるイチゴ親株でのハダニ類防除」では
こちらはイチゴだがアカリタッチは薬害が生じやすいとの報告もある。
適応のないバラだと一抹の不安も残る。