お金のある人の恋と腐乱 (徳間文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルお金のある人の恋と腐乱 (徳間文庫)
発売日2014-11-07
製作者姫野 カオルコ
販売元徳間書店
JANコード9784198939113
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

購入者の感想

四編の輪環形式連作小説です。
タイトルの通り、お金のある人の、小市民とは対照的な恋の物語。
最初の
「反行カノン」
の恋心が素敵です。
抑えられないほどの熱情がわき上がる感覚は貴重だと思います。
そして、相手を思いやる抑制の利かせ具合も素敵です。

次の
「フレンチ・カンカン」
は、おそらく不幸の中に居る人の淋しさなのだと思う。
彼女のマゾヒスティックを見抜き、その淋しさを和らげようとする彼の親切心が泣けました。

「三幕アリア」
四編の中で、唯一お金持ちでない女の子が主人公です。
まともな人とは(後年の述回も含めて)こういう人である。
と一安心します。

「輪舞曲」
最も官能的な一遍。
一生に一度、こんな経験をすると、それだけで生きていけるような気がします。
僕が、こんな体験をしたら、快楽に溺れてしまって、帰ってくることが出来なくなると思いますが。
小説の主人公は僕とは異なり、お金持ちの人の節度で、日本に戻ってきました。

僕は、この一冊を読んで、南の島のバカンスに行って、帰ってきたような気分になりました。
旅行に行きたくなったのではありません。
旅行に行って帰ってきた気分です。

いや、旅行に行きたくなったのですが、
少し考えたら、「これだけ自由に使える金があるなら、別のことに使うだろう」と、庶民的な金勘定が働き、せっかく読んだ小説の味わいを台無しにしそうになったので、
「旅情は、この一冊で満たされました。」
と思い直したのです。

忙しくて、日々の雑事に忙殺されている人にお勧めです。
寒い季節に、心の温もりが得られます。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

お金のある人の恋と腐乱 (徳間文庫)

アマゾンで購入する
徳間書店から発売された姫野 カオルコのお金のある人の恋と腐乱 (徳間文庫)(JAN:9784198939113)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.