ビバリーヒルズ・コップ ベストバリューBlu-rayセット (期間限定スペシャルプライス) の感想

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参照データ

タイトルビバリーヒルズ・コップ ベストバリューBlu-rayセット (期間限定スペシャルプライス)
発売日2016-09-28
監督マーティン・ブレスト
出演エディ・マーフィ
販売元パラマウント
JANコード4988102458270
カテゴリジャンル別 » 外国映画 » コメディ » アクションコメディ

購入者の感想

1984年の1、87年の2、94年の3を纏めたBlu-ray BOXはお買い得で収納性も高いので有難い。但し、評価とすれば回を逐う毎に質が低下したシリーズであり、第一作で衝撃的な初主演を成功させた主人公アクセル・フォーリー役のエディ・マーフィーによるパーソナリティに依存した安易な製作方針により短命で終わったのが残念だ。1の☆5、2の☆4までが及第点、3が☆3なのでBOXでは☆4だ。
本作の醍醐味は、斜陽の自動車産業に治安悪化が激しいデトロイト警察に所属するルール無視のハミ出し者だが凄腕のアフリカン刑事が、裕福都市L.A.の礼儀正しいが硬直的な組織文化のビバリーヒルズ警察の管轄下で殺人事件を捜査する、その対称的な構図を生かした奇想天外なストーリーにある。
そして、エディ・マーフィーの人を食った態度やマシンガントークが魅惑的な主食とすれば、ルールの呪縛の殻から抜け出して共に捜査に当たるローズウッド刑事、タガード巡査部長、ボコミル警部補達との凸凹トリオが抜群に面白い副食だ。
礼儀知らずのアフリカンを見下すビバリーヒルズ警察上層部からの圧力と、アクセルの鋭い捜査手法への感心や同調したい本音との間で立場を失い、嬉々と弾けるローズウッドと苦虫を噛み潰したタガードの表情に表れた中間管理職の板挟みと反抗心が実に素晴らしいスパイスだった。
その折角の特徴が第二作、第三作と徐々に埋もれてくる。米国がリベラルに変わったのなら致し方ないが、ただ単に犯罪が派手になるだけで、人種差別や地域エゴへの風刺、有力事業家の顔をして公然と公権力を操る汚職等、映画に与えられた批判精神が単なるエンタメになっては、やはり面白味は半減してしまう。エディ・マーフィー自身も演技の幅を広げられず、90年代に失速を余儀なくされたのと本シリーズが短命だったのは単なる偶然ではない。
それでも第一作は映画史に残る名作に違いない。アフリカンが主役映画の新たなスタイルを生んだエディの貢献はやはり特筆すべきだ。白人に反発するか、遠慮するかのスパイスに過ぎない脇役ではなく、その堂々とした演技は観ていて本当に清々しい。三作とも日本語吹替えは無いものの、持ってて良かったと言える感慨無量のBOXだ。

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