社会学の方法―その歴史と構造 (叢書・現代社会学) の感想
参照データ
タイトル | 社会学の方法―その歴史と構造 (叢書・現代社会学) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 佐藤 俊樹 |
販売元 | ミネルヴァ書房 |
JANコード | 9784623061242 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般 |
購入者の感想
ものすごい、ド直球な一冊です。
よく整理されていて勉強になるって意味ではなく(それもありますが)、また現代社会学の最前線がわかり
やすく解説されているって意味でもなく、議論を促すという意味で、ド直球の「社会学」です。
なんだか、著者の「ドヤ顔」が垣間見えるような。
第一部の、デュルケームからルーマンまでの整理がすごい。各論者の「少数者」性に着目した視座からの
整理は圧巻だし、このような場合にありがちな、実質的な内容への踏み込みの浅さもない。率直に脱帽
します。社会理論の研究にあたっては、官房学的な系譜から19世紀の統計的な社会研究を参照すべき
ことも、大々賛成。多くの定性的と見なされる概念が、統計的手法で再記述できる点も、すごく賛成。
しかし、ルーマン。
ルーマンがそのままでは使えないこと、ルーマンの再記述が必要なことには、とてもとても賛成。
しかし、ルーマンが展開した大きなポイントを、いくつかスポイルしすぎではないか。
たとえば「進化」など。
実は、著者の整理や見解には同意できない部分が多いです。それでもすごく刺激になる一冊。
とくに「ルーマンがそのままでは使えないこと、ルーマンの再記述が必要なこと」って言っても、そう思って、
ただただルーマンに挑むだけでは疲弊ばかりが甚だしいわけで(主に私)。このように、著者なりに再構成
した像を提示してくれると、それを導きの糸として、改めてルーマンに挑める(というか、ルーマンを理解し
展開していく糸口を見つけやすくなる)というもの。
著者の整理や見解それ自体ではなく、著者の整理を受けて、さらに勉強を進めていくということ、こうした
営為こそが「学問」であること、そのように「学問」が要素を産出していくことこそ「システム」であること、それ
ら一切を踏まえて、珍しいくらいド直球であると同時に、すごい一冊です。
なんか場違いな感じだけど、「ありがとう」と言いたくなるくらい。
よく整理されていて勉強になるって意味ではなく(それもありますが)、また現代社会学の最前線がわかり
やすく解説されているって意味でもなく、議論を促すという意味で、ド直球の「社会学」です。
なんだか、著者の「ドヤ顔」が垣間見えるような。
第一部の、デュルケームからルーマンまでの整理がすごい。各論者の「少数者」性に着目した視座からの
整理は圧巻だし、このような場合にありがちな、実質的な内容への踏み込みの浅さもない。率直に脱帽
します。社会理論の研究にあたっては、官房学的な系譜から19世紀の統計的な社会研究を参照すべき
ことも、大々賛成。多くの定性的と見なされる概念が、統計的手法で再記述できる点も、すごく賛成。
しかし、ルーマン。
ルーマンがそのままでは使えないこと、ルーマンの再記述が必要なことには、とてもとても賛成。
しかし、ルーマンが展開した大きなポイントを、いくつかスポイルしすぎではないか。
たとえば「進化」など。
実は、著者の整理や見解には同意できない部分が多いです。それでもすごく刺激になる一冊。
とくに「ルーマンがそのままでは使えないこと、ルーマンの再記述が必要なこと」って言っても、そう思って、
ただただルーマンに挑むだけでは疲弊ばかりが甚だしいわけで(主に私)。このように、著者なりに再構成
した像を提示してくれると、それを導きの糸として、改めてルーマンに挑める(というか、ルーマンを理解し
展開していく糸口を見つけやすくなる)というもの。
著者の整理や見解それ自体ではなく、著者の整理を受けて、さらに勉強を進めていくということ、こうした
営為こそが「学問」であること、そのように「学問」が要素を産出していくことこそ「システム」であること、それ
ら一切を踏まえて、珍しいくらいド直球であると同時に、すごい一冊です。
なんか場違いな感じだけど、「ありがとう」と言いたくなるくらい。